お歌うたう人はきっと、踊っても自然と上手に踊れるんじゃないかなあ、なんておうち一人カラオケを熱唱していて思った。

夫は出かけてちょうど家に一人で、上階がドコドコうるさいのに辟易して、話しかけてくる人もいないからヘッドホンしてこれを歌詞見ながら歌っていた。

「色彩のブルース」はもうずっとずっと長いこと好きな歌。

EGO-WRAPPIN’ の中納良恵さんは、朝ドラ『ブギウギ』のオープニングを歌っていた方で、みなさんの耳にも届いていたはずの太めハスキーボイスがせつなくカッコいい。

まあ、それで、別に私の歌唱力はお風呂カラオケ程度なのだけれど、これを繰り返し歌いながら、中納さんの声を頼りに一曲の中でペース配分とか強弱とかつけて工夫すると何となくそれなりになるのだった。

それでバレエに転じて、センターでアンシェヌマンを与えられた時、どこがこの踊りのピークで、どんなふうに強弱やアクセントを付けて（あるいは付けられていて）、自分の体力や力量を加味しながらどうペース配分すればいいのか、踊り出す前に瞬時にわかりたい（特にアレグロ）。

歌う人はきっと、それができるに違いない。

もちろん踊ってから先生にアドバイスをいただいてやり直したり、何度も繰り返し練習するうちに、クリアになることはある。

でも、そうではなくて、言われる前に自分で気づいたり意図を汲み取ったり、できるようになりたい。

言われてから、ああ！そういうことか！では遅いのだ。

1回分、損している。

たとえ間違っていても見当違いでも、もらった瞬間にそこまで読めるようになりたい。

もしかしたらそれは、歌うたいの心