何か特徴的なドラマがあるわけでもなく、

わかりやすく起承転結があるわけでもない。

ハッピーエンドでも、バッドエンドでもない。


「たいしたこと」なさそうな話。


結論もない。


だから このミュージカルを観た感想を

人に伝えるのはちょっと難しい。


でも、「だから、いい」と思える。


心が耕される、

そんな作品でした。



舞台は

イスラエル。


イスラエルのある辺境の町に

エジプトの警察音楽隊が

間違って到着しちゃった、

というお話。


だから

副題は「迷子の警察音楽隊」


当時 

あまり仲が良くなかった隣国どうしの人々が、たまたま一夜を過ごす。


「あまり仲良くない隣国どうしの人々が」

なんていうと

喧嘩や言い争いが起こりそうだけど、

そういうわけでもない。


そこに 誰の胸の底にも横たわってるであろう

平和への願いを感じる。、


基本は、凪。


それが、さざ波になる程度。


「ただ、こんなふうに、小さな部屋、ランプ、ベッド…」



わたしたちをよろこばせてくれるものは

あふれているけれど、


でも

ありふれた日常が

しあわせ。


そんなことを

思い出させてくれる。


いつまでも心に残るのが

ただ、ただ、待っている 

「電話男」


いつ鳴るかもわからない公衆電話を

ただひたすら待つようなことが

わたしにもあるような気がする



新着通知は無いんだから

新しいメッセージなんて

届いてないことは明らか。


だけど

わざわざ

メールのアイコンをタップ。


電話男の佇まいは

スマホをとりだして

メールボックスをのぞく時の気持ちを思い出す。



いつ鳴るかもわからないけれど

それでも待ちたい



毎日 何かを待っている


何を待ってるか

はっきりとは言えないけど



何か良い変化

転機となるようなこと



なにか、なにか、なにか


なんだろう?(笑)




中東民族音楽の

なじみのない旋律がとても心地良い

中東✖︎JAZZ

歌と音楽がきもちいい。。。


また聴きたい


特に電話男のうた


あ、もしかして、、、


と思って

ためしにAmazon musicで検索したら



あった。


なんてありがたい世の中なんでしょう!



毎日

何かを期待しながら過ごして

いちにちの終わりに

「いつもと同じだった」って思ったとしても

それが

すごくしあわせなことだって

あとになって わかる


長い目で生きる楽しさにも

気づけた物語でした。


公式ホームページ




眠れない夜にひっそりと浸りたくなるような

物語です。


日生劇場はとても素敵な劇場だけど、

もし叶うなら

つぎはもっと小さな箱で見たいなぁとも

思いました。


そういう、こじんまりとした

個人的な世界にこもって見たいような

作品です。



回転する舞台は

その願いを叶えてくれるような

贅沢なしかけ。


ひそやかな一夜の出来事を

上空を旋回しながら

そっと眺めているような。






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