ヤジロベーがサイヤ人編、人造人間編など彼の性格から言えばおおよそふさわしくない行動をとることがあります。

死ぬことが一番嫌いで悟空の仲間では一番一般人らしいヤジロベーが、

死ぬかもしれないのに現場に駆けつける、これは一般人として見れば不可解な点でもあります。

なぜ、ヤジロベーは駆けつけたのでしょう。

ヤジロベーは悟空の仲間になった時から、そして戦いが激化するにしたがって、悟空の仲間と死にたくないという思いの間で

心が揺れ動いていたのだと思います。

過去にも記しましたが、原作者の鳥山明氏はヤジロベーをスーパーサブとして扱っていました。

ピッコロ大魔王の時、ヤジロベーしか悟空の救出ができない、という状況下で(バトル漫画では往々にして主人公をとことん追い詰め

そこからの一発逆転というストーリー展開がされがち)すとーりーを作っていることからも理解できます。

一方、キャラの立場で考えれば、ヤジロベー自身、死にたくないからとりあえず戦場に駆けつける、

もしかしたらカリン様に「お前が行かなければ地球は滅び、結果的にお前も死ぬぞ」的なことを言われたかも。

そして、「敵に見つからなければ大丈夫」と自分に言い聞かせて強引に納得していたのではないでしょうか。

そこにはやはり悟空の仲間という思いが強かったのではないでしょうか。

ずいぶん昔の別のアニメであるキャラクターが「自分は戦闘メンバーになることを諦めたかわりにメカニックとして役に立とうと決めたんだ。

それが自分の戦い方だと」というセリフを言っていたことがありました。

ヤジロベーの活躍もこのような気持ちに裏打ちされた結果だと思うのです。

仙豆を届けたり一発のアクションにかけたり、それがヤジロベーなりの戦い方なんだと。

だから単なる弱気で逃げ腰なだけのキャラではないということです。