廊下での自主トレは、病棟の廊下を一往復出来るくらいになってきました。
少しずつ速度も早くなっていたようで、看護師さんやリハビリスタッフの方から、
「ずいぶんこげるようになったね」
「早くなったね」
などと言われるようになりました。
ある日、こいでいると入院初日に夜勤だった男性の看護師のYさんがにこにこして、
「おお~いいね~👍それ、体幹を鍛えるのにすごくいいんだよ」
それから私は徐々に距離を伸ばしてみることにしました。
一往復プラスあと半往復、そして毎日二往復するのが日課になっていました。
そして、足のリハビリではひたすら立つ練習。
立つと言っても、独立しては立てないし立っていられないので、まずは座った状態で目の前に机を置いてもらって、顔から突っ込んでも安全なように机の上にたくさん座布団を置いてもらって、立たせてもらってそこにつかまっている練習。
ツンデレ美人さんがリハビリ室で他の男性のスタッフさん二人に声をかけてくれて、二人がかりで私を立たせてくれて、ツンデレ美人さんが膝の辺りを押さえてくれて立つ練習。
などなど。
「お尻締めて、力入れて‼️」
と言われても、まったく感覚がなくて力も入らずぐにゃぐにゃだったので、すごく大変だったと思います。
しかも、私を立たせてくれるのにお手伝いをしてくれるスタッフの方たちも、それぞれに受け持ちの患者さんをリハビリしながらなのに、いつも快く、
「さあ、やりましょうか
」

と引き受けてくれて、本当にありがたかったです。
いつしか、私が立つ練習をするのは、私の両サイドに男性のスタッフの方が立つため、with Bと呼ばれるようになり
(そう、35億のあれね
)、リハビリ室に行くと、いろんなスタッフの方がツンデレ美人さんに、


「今日はwith Bやりますか?いつでも呼んでくださいね」
と親切に声をかけてくれました。
何かに捕まりながらでも、まずは車椅子から立つのが目標でした。
歩くためにはまず立てなければ。立てるようになれば、ベッドから自分で車椅子に乗れるようにもなる。それが出来るようになったら部屋の中を移動したり、今よりももっと自由に動ける。
部屋に戻ってベッドに寝せてもらうと基本まだ寝たきりだった私は、そう思っていました。
まだ、お箸も持てない、着替えも出来ないなど手の課題も山積みだったのに、私は立てるようになりたいということで頭がいっぱいになっていきました。