小学生のうちは、とにかく怒ると怖い父親という印象が
ありました。ただし、”怒ると”です。
飲食店経営のため、土日を含めて普段は一緒に過ごすことが
殆どありませんでした。
その代わり、仕事が終わって帰ってくると、ほぼ毎日家で
私と弟と父親の3人で”ボードゲーム”をやりました。
人生ゲームをはじめ、数種類のボードゲームがうちにはあり
毎日代わる代わる飽きもせずにやっていました。
これはなんと中学3年生までひたすら継続されていたのでした。
普段子供と遊べなかったり、出かけることができないかった
ので、親としてはせめてもの償いというか愛情表現だったの
だと思います。
今思うと、仕事終わって疲れて帰ってきても、まず子供の
相手をするというのは、相当疲れるだろうなぁと思います。
また、私たち兄弟は普段から両親の働く姿、お客さんに頭を
下げる姿を目にしていたため、両親の努力というのも普通の
サラリーマン家庭とは比べられないほど理解していたのだと
思います。
だから、運動会で親が来なくても、日曜日に遊んでくれなくても
節目のイベントに相手にされなくても、まったく悲しくもなく
恨んだり、よその家庭を妬んだりは一切ありませんでした。
そんな環境だったので、怒られてもどこかで親のことを尊敬
していたのかもしれません
結局、いかに親が子供に真剣になれるか?自分の楽しみよりも
子供のことを考えられるか?が子供が親に対するイメージの
決め手なんだろうなと思います。
子供に対して表面的な愛情や同情を与えるのではなく、
真に信頼しているという愛情を行動で見せることができれば
子供はその愛情を裏切ることは無いと思います。
逆に、もし自分の子供に裏切られたり思い通りにならない
と悩む方がいたら、きっとそれは、自分が子供に対して
裏切るような行動を見せてしまったり、がっかりさせるような
ことをしてしまっているからだと思います。今一度自分の行動
を考え直してみても良いかもしれません。
”この子がいるから・・・”
”この子が私を困らせる・・・”
そういう空気を出してはいませんか?
いつからか、自分の方が親よりも肉体的には成長し、社会人と
なりました。でも、きっと最後まで父親を抜くことはできない
でしょう。尊敬しているうちは父親の方が上なんだから。
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自分の両親は、少なくとも子供の前では常に私たち兄弟の話題を
優先させ、両親の話は殆どありませんでした。もし両親だけで
話をしていて子供が蚊帳の外的な空間を与え続けられていたら、
きっと今のような気持ちにはなっていなかったかもしれません。
父親にとって母親は妻でもあり元々は恋人同士。一方息子にとって
母親は、まさに母親でもあり、最初に接する女性でもあります。
だから、目の前で自分達をのけ者にして両親だけで仲良くして
いれば、嫉妬もするし、恋敵でもある父親を疎ましく思うかも
しれません。そうなれば、だんだん父親と息子の関係も悪化して
いってしまうこともあるでしょう。これが娘の場合はまた違う
のでしょうけどね。
父親と息子、非常に難しい関係ですが、幸い私の場合は、
良い方に流れてくれたようです。