棗(ナツメ)を彫る -- 素材編


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以前にも彫った事がありますが、由来や決まり事がある事も知らずに適当でした


今回は、少々辞典などで調べ、決まり事を知り正式な寸法に近い物を彫ってみます


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(辞典で調べた決まり事等の色々)


棗とは抹茶を入れる木製の茶器の事です

 

呼称は、その姿がナツメの実に似ているところから


夏に芽が出るのでナツメと言い、枝に鋭いトゲがある

 

実は晩夏頃から実り、リンゴの味がするという





また、棗(ナツメ)には、種類があり 「大棗・中棗・小棗」 とある

 

大は薄茶用、小は濃茶用、中は薄茶と濃茶の兼用となっている


利休形の寸法は、大は二寸六分半(約8cm)・中は二寸二分(約6.6cm)

 

小は一寸六分半(約5.0cm)と定められている

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これは、ある名人が彫ったというケヤキの中棗で、漆の拭き塗り仕上げです


寸法は 直径6.7cm×高さ6.7cm で、価格は\8,000-程します

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今回はこの様な決まりを知った上で、材料庫のケヤキ材で、中棗を彫るります


約7cm角28cm長のケヤキ材を旋盤に乗せ、回転センターと芯押し台で固定します



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先ず最初は、材料を丸める作業から入ります


刃物台に45度右勝手の超硬バイトの外側に刃を付けたバイトで削ります


金属用バイトでも、すくい角を付けた刃は結構よく切れ、挽き肌も整っていました


将来的には、真剣バイトの先に、材に対し平行の短い刃を付けた方が良さそうです


何れにせよ旋盤の往復台利用は、真の円筒が簡単に彫れるのでありがたい





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67mm丸の丸材になったら、切り分ける寸法を突っ切りバイトで刻んでいきます


材料が28cmあるので、3個分の材料を切出せる事になります

木目を見ながら胴と蓋をセットにし、胴の口部には蓋の入り代を切込んでおきます





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一組事に切り分けた素材が3個出来上がりました





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続いて、端面を平らに馴らしますが、旋盤のX軸動作で往復台を使います


刃物台には、10mm角のHSS材に自分好みの刃を付けた木工用バイトです

 

デベソ研削にならぬよう、刃高合わせを正しく行います



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端面を削り終わった素材が3個出来上がりました


ここ迄を第1段階として、大量に出た切り屑の清掃を行います

 

製作は、明日につなぎます





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暑い暑い梅雨晴れの午後、コロナワクチン第2回目を接種しました

 

会場に行く道中では、アジサイは既に終盤で、夏の花「ムクゲ」が咲き出していました

 

 

照りつける太陽の下を、トボトボと10分程歩き会場に向かいましたが

歳には勝てず、日傘をさして歩いたほうが良かったと痛感

 

 

会場入口で検温機の前に立つと、37.3度と「X」マークが点灯し入場ストップ

あまりの炎天下を歩いて行ったので、デコの温度が上ったようでした

 

日陰でひと休みして再入場すると、36.2度に下がりめでたく入場が許可

 

前回と同様で、待ち席で少し待つと呼び出しがあり、医師の問診を受ける

 

 

問診後、ワクチン接種部屋に移り、接種を受ける

 

接種自体はチクリと針を刺す感じがある程度で、大した苦痛では無いが

私は抗血小板薬を服用しているので、2分間止血が必要となります

 

 

その後も指定された待機の椅子に座って、15分間異常が起こらないか待機します

通常は15分で良いが、基礎疾患のある方は30分待機が必要となるそうです

 

時間になると、看護師が体調の異常有無を確認に来て、異状なければ退室

 

出口では、ワクチンを2回接種したことの証明書を頂き帰宅します

 

接種箇所が痛むのは前回と同じだが、翌日になった今日は少々違った現象が出た

 

起床時は何も感じなかったが、その後気だるさが発生し、少し頭がふらつく

昨日の問診時に、2回目の方が異常が出やすいが、すぐに治るとは言っていたが・・

 

それでも、無事2回の接種が終り、コロナ感染の可能性がある程度減った事は喜ばしい

この効果は、何時まで持続するものかの心配は残っています

 

 

 

 

 

 

 

バイト研ぎ用にグラインダーを作る

旋盤に砥石を付けて代用したが、どうしても細い砂がレールに入る
作動状態も悪くなるし、レールの摩耗も避けられないので、兼用は単なる迷案であった

それでもグラインダーは購入せず、使っていない3φ200Wの密閉型モーターで作る
利点は、インバーター駆動で、逆転や回転速度のコントロールが自由に出来る事

早速作ってみよう!!

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先ず最初に、砥石の抜け止め用にシャフト端末に5mmのネジ穴を付ける
シャフトを固定し、4.5mmドリルで穴を開け、5mmのタップを立てておく



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次に基部のストッパーとなる円盤を、6mm鉄板から削り出し、11MMの穴を開ける
(200Wモーターのシャフトサイズは11mmに規定されている)

 

ここで砥石の振れを制御するので、正確な11mmの穴をあける必要がある

10mmの下穴をエンドミルの片刃先を使って、少しづつ正確に広げていきます



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主軸の元部サイズは12mmあるので、この1mmの段差をストッパーにする

(この段差だけでうまく止まらなければ、スペーサーを作る必要がある)


砥石の軸穴は12.7mmと表記してあるが、正確に測れば13mmある
シャフトに1mm厚のスペーサーをかませれば丁度固定できる



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砥石迄はめ込めたので、この砥石を押さえる円盤を作ります


6mmのアルミ片で削り出した円盤に、13mmの軸に合わせた穴を彫る
穴ぐりバイトでは太すぎるので、ここでも6mmエンドミルの片刃先を使う

 

切れなくなったミルの刃先は、直角に研ぐだけで切味は戻ります



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砥石を取付、抑えの5mmボルトで止めると基本形は完成です
90Hz(2,400rpm程度の回転数)で回したが、振れも無く静かな回転です

 

大成功で~す  板の上に置いただけでも全く暴れませ~ん



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板切れで架台を作り、ろくろのツールレストで受ければ立派なグラインダーです
余剰品の利用だが、何時でも研磨できるし、力は強く音や熱も出ない
本格的なグラインダーとして、ベランダ工房の立派な一員に仲間入りです

 

金属のみならず、木工研削も出来る様な刃を付ければ、長切れ出来て便利そう

シャフトを作り、刃の形状を色々とテストしてみましょよう



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余談になりますが、この作業をしながらも旋盤の動きは渋くなっていたので
止む終えず可動部分を全て分解・清掃し、何とか元の滑らかさに戻しました



 

 

超硬付刃バイトを頂いた

旋盤レストア後旋盤病に取り付かれています  お助け下さ~い???

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或る処で、13mmシャフトの右隅用と真剣型の超硬付刃バイトをたくさん頂いた
赤色バイトで、非鉄金属用らしいが、非連続切り屑排出鋼なら問題ないとの事


 


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持帰り、とりあえず旋盤で研削TESTをしました

 

本来は、研削工具に使うのではなく、四角いシャフトが欲しかったのだが

せっかくのバイトなので、先ずは古い鉄棒を削ってみます

刃物台に取付て削ったが、ビビリが酷くて上手く削れず、ムシレた肌になる


色々調べてみると、使用する前に研いで、刃先を付けてから使うものらしい


何も知らない事は恐ろし~い!!   ちょっと勉強してみましょう~~

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調べた結果は専門的な理屈ばかりで良くは理解できない・・・


通常グラインダーで研ぐらしいが、我が工房にはそれらしき道具も無い


狭い工房にこれ以上の機材は置けないので、旋盤に咥えてディスクを回す





先ずは、こんな構想を簡単な絵に書いて、残材を削って自作する

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製作の途中は夢中になり、写真は撮り忘れたが


16mm径の丸棒を旋盤に咥えて構想通り削り、12mmダイスで端末にネジを切る

材料の16mm丸棒とは、Zマーク金物のアンカーボルトで、M16の炭素鋼です

自作の三角チップ用バイトを使って削ったが、かなり腕も上がったと自画自賛



治具が思い通り出来たので、早速Mono?roへグラインダー砥石を注文


GC#120~外径150/穴径12.7mm/厚さ16mmの砥石である

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注文した砥石が翌日到着したので、作ったばかりの治具に組付ける


砥石は、5mm厚x50mm径の当金で両側からで挟んで軸に固定する





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旋盤に取付、2,000rpm程で回したが、振れも事無く静かに回る


ツールレストで受けつつ、恐る恐る側面を削る



何事もなく簡単に上刃と側面の逃げ面が出来上がった

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研削スタイルを想定しながら、刃先の形状を考える



側面を平らに削れたら、砥石の端面を使って切れ刃を付ける


研削状態を想定しながら、刃先の形状を考え形を作っていく

何事もなく、簡単に削り込めた

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研ぎあがったバイトで削ってみる



研ぐ前の削り肌に比べると、明らかに滑らかになった

錆びた丸棒が、きれいな肌を表し、ひかり輝いている


刃先がもっと揃えば、更にきれいな肌に削れる事でしょう

 

金属削りの魅力に取り付かれ、ますます旋盤病は重症化に・・・

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全てがうまくいったわけでは無く、困った事も発生している

旋盤のレールに、砥石の砂が付着し、動きが渋くなり摩耗する恐れがある

防塵対策をするのが良いか、セオリー通りグラインダーを設備するか・・・

色々試行し、楽しみながら改善していきたい

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本来の目的だった四角いシャフトは、2~3本あれば良いのだが

 

焼きが入り硬いので、ガストーチで充分焼き戻してから細工する

 

残った資源は、勉強しながら有効利用を進めたい

 

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我が町では、高齢者向けコロナワクチンの接種が始まっています

間違いなく高齢者である私にも案内があり、予約を済ませていました

 

それが今日5月27日で、朝から土砂降りの雨が降っていました

会場は近所でも雨は苦手、止んでくれることを願っていまた

 

幸い午後の時間帯だったので、出かける頃には何とか雨も止み助かりました

 

接種会場は、徒歩10分足らずのコミュニティセンターです

 

 

来所者はうまく整理され、混雑や待機時間は全くありません

受付を済ませると、医師の問診があり、接種会場に案内されました

 

指定された椅子に案内され、その場で間もなく接種が行われました

接種後は15分の待機時間があり、そのままの椅子に座って待ちます

 

時間になると看護師が巡回してきて、異常が無ければそのまま帰宅です

第2回目は、3週間後の同じ時間に訪れれば良い事になっています

 

接種後の感想は、注射そのものはインフルエンザ等と何ら変わりませんが

気のせいか帰宅途中、なんだか足元がフワフワするように感じました

 

半日ほど過ぎた夜から、注射の跡が少し痛みました

人により差異があるそうで、一日が過ぎた今は、さほど感じません

 

接種順も老人保護はありがたいですが、街で遊ぶ若者にも早く打って欲しい

一日も早くコロナに打ち勝ち、安全な暮らしが戻ることを願うばかりです

 

 

 

 

 

 

 

 

兼用面板に改造

 

 

金属加工時と木工研削時には都度チャックを取り換える必要がある

当然、取替える度にセンター出しの作業が必要になり、手間が掛かる

 

手間を省く工夫として、5”チャック面板に1"8pネジを取り付けてみた

この面板は常時本体に固定し、5”チャックも木工チャックも随時取替可能にした

雄ネジは5”チャックの貫通穴に入るので邪魔にはならない

(但し、5”チャックの使用時だけは、芯出し作業は必要となるが・・・)

 

加工後の使い心地を検証する意味で、楢材の研削をテストする

 

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(01) 楢の皿を彫る



旋盤の調子も整い、心地よい気候になったので、久しぶりに木工です


材料は、もう何年も前に伐った楢から12cm程の小皿を挽いてみます
丸素材にして3~4年は経っているので、もう暴れることはないと思います

 

今回の目的は、小皿の必要に加え塗料のテストという意味を合せています

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(02) 概形を彫る



先ずは、旋盤に乗せて裏面の外形加工から入ります
素材としては、木目はきれいなのですが、重くて硬い材質です


刃物の先を良く研いで、丸みを付けながら外径を削っていきます

楢独特の香ばしい香りが漂い、切り屑がどんどん溜まります

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(03) 内側の彫りに移る



予定の外型が決まれば、器の中を彫る為に素材を反転して咥えます
しっかり加えたら、外板がブレない様にゲージを当てながら振れを修正します

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(04) 内面の研削



先のチャックポイントから、順次広げる様に中をくりぬいていきます
肉厚が5mm程になるように、外面と平行になるまで、丁寧に彫り広げていきます


特に底面からの立上る曲線部は慎重を期して丁寧なカーブを心掛けます

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(05) 底の厚さを知る




ある程度深くなれば、口元からゲージを当てて、底厚を測ります
底の厚さが5mm程になったら、内面の仕上げ削りを行います

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(06) 研磨する




形が決まれば、仕上げのサンディングを行っていきます

塗装の乗りが良くなるように丁寧にペーパーを掛けていきます


刃目は、塗装後に浮き出て醜い縞模様となるので、特に気を付けます

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(07) ウレタン塗装




磨き終えたら塗装に入りなすが、今回は「工芸うるし」と「蜜蝋クリーム」を試します


先ずは、水性工芸うるしで、「クリヤー」を2度塗り後「艶消し」を2度塗ります
手間は掛かりますが「乾かして研磨」し「さらに塗り研磨」を繰り返します


出来上がりは希望通りの艶消しで、シットリ感が得られ満足です

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(08) みつろうクリーム




以前から気にはなっていたものの、使用するのは初めての「蜜蝋ワックス」です
ミツバチの巣から精製したロー分を、亜麻仁油等で練ったものです

取扱いは非常に簡単で、伸びが良く塗るのも楽と良いとこばかり
無害で防水性があり、食器等に最適と言われていますが、耐久性はどうでしょう

スポンジ等でタップリ擦りこみ、余剰分を拭き取り乾燥させるだけで良い

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(09) 仕上がった2枚の皿




塗り終えた皿は、左が「工芸うるし」で、右が「蜜蝋クリーム」です
多少色味が違う程度で、どちらも木目がきれいに現われています


木の感触としては、「蜜蝋クリーム」がより自然味が感じられるようです

乾燥後には、防水性や耐久度のテストをする予定です

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(10) 高台を整える




塗装仕上げも終わり、最終工程です

旋盤に戻す必要が無くなれば、高台の整形を行います
チャックポイントを削って整え、磨いて塗装をすれば完成です

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更に余材で取り皿を彫っておく



先ず、残ったもう一枚の材料を、薄く2枚にスライスする
旋盤仕様で突っ切りバイトを使い、スロー回転で切り込んでいく
芯押しで押したが、強く押しすぎるとバイトを挟むので程々に

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スライスした2枚の素材



チャックポイントを彫り、厚さをそろえる
これらの作業は、旋盤スタイルで彫っていくと非常に楽に進む

なお、取り皿は浅いだけで、彫る手順には何ら変わるところは無い
浅い分だけ作業は楽であるが、底の厚さは慎重に彫り進めたい

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仕上がった皿




蜜蝋を塗って仕上げた取り皿が4枚と小皿2枚が完成
結構木目が出て気に入った仕上がりとなった

 

 

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※※ 塗装の結果を検証する ※※

余談になりますが、完成品に熱湯や油物等で手荒い試練を試してみます
防水性は「工芸うるし」に上がり、臭い等は「蜜蝋ワックス」が良さそうです

 

工芸うるしは、今までにも多々使用したが、初期の臭い以外は問題ありません

 

蜜蝋仕上げ分は、湯を入れた結果吸水するのか木目が立った感じがします
蜜蝋仕上げのメンテは、油分が抜けたら適宜オリーブ油などで補充が必要です


何れにせよ、木製品は軽くて手に馴染みやすい素材ですが、手入れは重要です

 

使ったらなるべく早く洗い、通風の良い処で乾かす

電子レンジと冷蔵庫は大嫌いです

油分の補給を適宜お願いします

 

 

 

 

 

 

 

 

大陸製のTCMT110204と云う三角形の格安チップを見付け、購入しました
送料込みの10個入りが\585-、国産チップ1個分にもならない価格です
そんなチップでうまく削れれば、貧乏インキョの懐には有難い限りです

適合するホルダーの手持ちは無いので、余材で自作すことにします
突っ切り用の直剣スタイルにすれば、形状が単純なので問題なさそうです
用途は、溝入れ・突っ切り・面取り・外面削り等と多方面に使えます



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製作に掛かる前に、どうしても作らなければならない道具が一つあります
当初この旋盤に付いていた3"チャックのハンドルが今もありません

軽便なので最近は使う機会が増えたものの、ハンドルはまだ作っていません
クランプのハンドルを削って簡易的に使っているが、どうも力が入らない



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ホルダーの製作に入る前に、先ずはチャック・ハンドルを作ります
5"チャックのハンドルを見本に、先端を7mmに仕上げれば良いだけです



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不要ジャッキのハンドルが15mmの丸棒だったのでこれを使用します
材質は、切断時の火花が、先割れしていたのでS45Cか? と思われる
デザインのテーパー削りは出来ないので段削りでごまかします
もっと細かい段削りにすれば、テーパーに近付くのですが・・・

 

チャックに横向きに咥え、突き出した先端部を四角形に削ります



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何とか出来上ったが、チップの刃先が割れていてひどいムシレ肌です
これでも十分にチャックは締まるので、細かい事には目を瞑ります
使ってみたら結構具合が良く、もっと早く作っておけばと反省・・・



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残りの丸棒材を12cm程に切り、本件のチップのホルダーを作ります
刃物台の上で座りを良くする為、両面を少々平らに削る


なおも刃は変えていないので、削り肌はきれいではありません

後からベルトサンダーで面を均していく予定です



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ホルダーを刃物台に取付け、切断砥石の刃で不要部分を削り落とします
完成後の刃高が12mmになるよう、チップの厚みだけ先端を削ります



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取付る穴を開けて、チップの型に罫書いた線に沿って三角形に整形します
トルクスネジはないので、チップは2.5mmの皿ねじで貫通止にします



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削り終えたらチップを取付け、刃の高さを確認しておきます
上手く合致しているようで、全く問題は無さそうです



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水道管の端材でテスト研削をしたが、切れの状態は非常に軽快です
ビビリる事も無く、肌にはきれいな光沢が出ています


価格に似合わぬ使い心地ですが、耐久度の方は不明です
チップは10個もあり三辺使えるので、当分の研削作業に心配はありません



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最後の工程で剣を彫ります
 

見本の写真を見ながら、形をイメージして研削を開始します


しかし、中皿を彫るにはどこを掴めばよいのだろうか? 未解決です
振れ止め装置は無いので、結論が出ないまま研削を始めます




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先ず最初は、40mm径の20cm長に材料を丸め、端末にグリップ部を彫ります
この時点では芯を押しているので、まだ中皿の研削は出来ません





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次のチャックポイントをグリップ部にし、剣先方向へと順次細めます
グリップ部をくわえ、剣先を支えながら先端部を径10mmに削ります

 

剣先を削ったら、剣先を押さえることもできなくなりましたが

ここまでは何の問題もありません




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最後に問題の中皿部を彫りますが、金属用チャックに気付きました


長い剣先は、チャックと主軸の貫通穴に逃がせば、奥深く迄差し込めます
(この旋盤の主軸貫通穴は18mm、チャックの貫通穴は30mmあります)

 

金属用四つ爪チャックに取替え、逆向けにグリップ部をくわえます

(この時剣先は旋盤主軸の中に入っています)
剣先を奥に入れ、振れを直して中皿の窪みを彫ります

案じた事も何のその、問題なく皿が削れました

 

研磨して剣の部分も無事完成です

今後の研削手段の技としてきっちりメモリーに入れておきましょう





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完成したけん玉は、全高18cmには収まっていますが、どこかズングリ感です
(見本写真の繊細なサイズを、正確に模写できていないようです)


今回は第1回目の試作品と言う事で大目に見ることにします

糸も付けたので、早速けん玉遊びを楽しみましょう



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競技用とは別に、大きなけん玉や愉快な形の装飾けん玉もある様です
塗りを楽しんだり姿に工夫を凝らした装飾用にも挑戦してみたいと思います





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先日彫った木球は10mmのビットしかなかったので望む大きさが彫れていない
ドリルビットは10mm迄しか持っていないが、12mmのエンドミルを思い出した


残材で球を掴むホルダーを作り、穴を12mmに拡張した



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続いて、2mmの糸穴をトップに貫通させ、穴の入口はバイトで整形して球は完成した



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後に気が付いたのだが、50のDVソケットが有れば60φはピッタリ!!

わざわざホルダーを作る手間は不要だったのです

 

 

 

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今日の作業は皿胴を彫る事にしている
材料箱から適当な大きさの楢材を取出し、太さ50mmに丸めて作業を開始
製作手順はこんな寸法に削っていく



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大皿を彫り、胴を半径30mm程の円弧状にくびれさせる
作業は全て手バイトとなるので、事前に良く研いで作業を開始した
サイズの指定が特に無いので、写真から感じ取ったイメージで削る
70mmの長さに切り目を入れ大皿の面を凹ませる





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切離して、大皿側を緩衝材を当てながらチャックにくわえる
小皿側を彫るのだが、チャックポイントが弱いので、バイトは軽く当てる
両側共に、予定のサイズに仕上がったので軽くサンドペーパーを掛ける





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ボール盤に移し、剣先を通す穴を10mmドリルで貫通させる

中心に開けたが、これで良かったのだろうか?





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出来上がった球と皿胴。次はケンを作り組み上げ完成させます





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ここまでは何とか研削できたが、けんに付く中皿をどうして彫るか?

掴みどころが無くなるので思案の真っ最中で~す

 

旋盤に振れ止めがあれば問題は無いのだが・・・

最悪は彫刻刀などの手彫りで解決することも考えられるが

 

 

 



 

 

旋盤のレストアも順調に終わり、本来の工房作業である木工研削に戻ります

 

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以前から多少興味があったけん玉を作ってみたいと思います

 

けん玉を作るに当り、少し調べてみたがあまり詳しい記載は見つからなかった
オフィシャルけん玉は、日本けん玉協会の認定品というがサイズの公表はない

競技用の玉は、0.1mm単位で規格があるらしく、直径は60mmに定まっている
横幅(大皿~小皿)70mm、全長(手で持つ部分から球の突端迄)は16~18cm以内
大皿の径は38mm、小皿の径は36mm、下部の中皿径は35mmと決まっている様です


重さについては自然木を使用するので制限は無く、糸の材質・色・長さも自由と云う

 

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このサイズを基に、楢と桜を使って認定品に近いけん玉を作ってみます
(使用材質により音の響きが異なると云う事で、その音も楽しんでみたい)

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先ずは、球の製作に取り掛かる前に、球体研削の基本を考えると
回転の縦軸が球の中心にあり、刃先がその中心を水平に回る必要がある


これを基本に以前の治具を改造し、旋盤の往復台に取付けて開始します



    

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けん玉には剣先の穴を開けるので、そこにシャフトを付け支持点にします
あらかじめ手バイトで丸めた素材をチャックに挟み、ドリルで穴を開けます


    

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開けた穴にシャフトをねじ込み、それを支点に研削を開始します

 

研削位置は往復台を前後左右に移動させ、球のセンター直下に固定

刃先の角度を左に30度程振っておくと、球全体が一度に彫り進めます

(治具のポストがチャックに干渉しなくなる為)


刃先の長さを調整しながら、少しづつ既定の大きさまで彫り進めます


この時、球の端面に突起が出ない様刃高の調整が必要です
(当治具での刃高調整は、センターにシムを噛ませて調整)



   

 

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シャフトの基部迄刃先が届き、尻尾が残る事もなくまん丸になりました
研磨し仕上がった球を計測すると、正確な60mmになっています


上手く出来たのでもう一つ桜材も使って削っておきます

    

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穴の整形は未処理だが、出来上がった球部が2個

 

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次回は、研削手順を考えながら皿胴の製作をします