最近の一連記事の続きです。

がん告知を受けた時は「再建って何?」といった状態だった私。ギリギリまで再建に関心があまり向かず、再建に関する情報収集を開始したのも遅かった。一次再建後は「私にとっては」想定外の連続で、インプラント手術直前はシリコン乳房への期待はあまり大きくなかった。なので、「100万出すからには、再建するからには、出来るだけ美しい乳房を!」という想いはあったものの、「ある程度の乳房が出来て、邪魔にならなければいい」という気持ちの方が大きかった。ホントに。

実は、エキスパンダー挿入中から乳房そのものよりも、デコルテ部分の大きな凹みの方が気になっていた。少し襟元が開いた服を着ると、鎖骨から下の凹みが目立った。「え?なに?何か変...」と痛々しく、また違和感が漂い視線が止まってしまう状態だった。現に、デコルテ部分には他人の視線を感じた。他人の視線はあまり気にならないタイプだが、自分でも「このデコルテ部分の凹みはちょっと....」と常に思っていた。もともと襟元が開いた服が好きだし...。形成外科の先生方も「デコルテ部分の凹みが大きく....」と唸っていた。私の体型+乳腺外科主治医の手術方針により、デコルテ部分の凹みが大きく目立つ結果になってしまったと理解している。

このデコルテ部分の大きな凹み....
「インプラント手術では全ては埋められない」「自家組織にしても、皮膚を移植しない場合は、埋められない可能性がある」といった説明を再建方法を検討していた時に告げられた。

といった背景があり、私は「インプラント手術後に脂肪注入は1回は行う」と決めていた。美しい乳房に近づけるための脂肪注入ではなく、痛々しい感を軽減させるための脂肪注入だった。

予想を遥かに超えて美しく出来たシリコン乳房。乳房下部の形状は本当に自然だったが(今も)、デコルテ部分は「はい、ここからシリコンが入っていますね!」と分かり、痛々しい感は客観的に見てもまだ残っていた。インプラント手術前に比べればかなり軽減されたけど。

そして、脂肪注入.....
脂肪注入直後は、「シリコン乳房から乳房になった」という感じで、デコルテ部分の凹みがかなり改善され、デコルテ・胴体横・脇周辺にあったシリコン境界線がなくなった。痛々しい感がなくなり、洋服選びに気を使わなくなった。乳がん手術前の状態に戻った。心がさらに軽くなった!

今は脂肪注入から3ヶ月半....
予想通り、注入した脂肪の半分程度(多分もっと)は定着せず流れ、脂肪注入直後のような理想に近い状態ではないものの、脂肪注入前の痛々しい感はない(と私は思っている)。リップリングの兆候はあるけどね。痩せたことで、健側のデコルテ部分のボリュームがダウンしたこともプラス方向に働いている。体重減少により、小さ目に再建した右側シリコン乳房は健側・左側の大きさとほぼ同じ程度になった。

「乳房下部の形状が美しい!傷痕が予想以上に目立たない!脂肪注入によりデコルテの凹みが改善された!」と書くと、「いいな....美しく再建できて...」と感じる方がいるかもしれない。でも、「美しい」「きれい」の判断基準は個人差が大きいし、また同じ人でも、その基準は常に変わる。私は今の自分の再建シリコン乳房に満足し、美しいと感じ前向きな気持ちになれているが、他人が見ればどう思うかは分からない。また、私自身も今後感じ方や評価が変わるかもしれない。

「当初は膨らみさえできれば...と思っていたが、それが達成されると、ここがこうなれば...となってしまう。どんどん上を目指してしまう人がいる」といったことを形成外科医からも患者からも聞く。気持ちは分かる。また、私は、患者だけでなく、形成外科医も完璧・もっと上を目指してしまう場合があるかな?とも感じている。再建乳房は一種の芸術作品。医師も「ここに脂肪を注入すればもっと...脂肪を注入したいな...」といったことを思うことがあると感じている。なので、医師から次から次へと提案を受ける場合もあると思う。

お金と時間をかければ完璧に近い再建が出来るかもしれない。でも、もちろん身体にも負担がかかる。身体的・精神的・金銭的な負担を考えつつ、自分が目指す再建乳房をイメージすることも時には必要だな...と感じている。私は、現時点では乳輪乳頭はないが、既にかなり満足をしていて、再建終了といった気分だ。乳輪乳頭再建や脂肪注入2回目は今後の気分次第だ。

今日は「つづく...」ではなく、「おしまい」です。
ブログは続きますが。

「読んでよかった」と思われたら
↓クリックをお願いします!


人気ブログランキングへ