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アメブロはサブブログで、FC2がメインブログです(ブログ名は同じ)。インド・チェンナイ関連記事は80%ほどはアメブロにもコピペ投稿していますが(FC2の方がカテゴリ分類が細かく検索しやすい)、乳がん&乳房再建関連の過去記事は主な投稿しかこちらにコピペ投稿していません。(詳しくはこちら目次を)。コメントはFC2からお願いします。宜しくお願いします。

下記はFC2で2014年6月30日に投稿した記事のコピペ投稿です。

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昨日、ダンカンさんの奥さんが乳がんで亡くなったニュースをテレビで観た。6年前に再発。そして9年間の闘病.....。ダンカンさんは奥さんの病状について多くは語っていなかったが、9年間の壮絶な闘病生活が想像できてしまった。47歳の奥さん。同年代ということもあり、ちょっと考えてしまった。

テレビでダンカンさんが「妻が乳がんと告知された時、乳がんに対する認識が....」といったことを述べていた。それを聞いて「『乳がんはシコリ(癌細胞)を取り除けば(乳房を切除すれば)大丈夫、早期発見すれば必ず完治する』というイメージが未だに強いよな.....。私も自分が乳がんに罹患する前はそうだったし.....」といったことを考えていた。

乳がんは奥が深い。どんな病気でもそうだと思うが.....。予後は腫瘤(シコリ)の大きさだけでは判断できない。様々な要因が絡み合っている。早期に発見すればするほど、再発・転移の確率は統計的には減っているが、「何を以て早期とするかも疑問だな」と思うこともある。ステージ別の統計的再発確率は参考にはなるものの、個々人の再発確率は基本的には「再発する・しない」の50%だと私は思っている。

3ミリ程度のシコリ(浸潤癌)でもリンパ節に転移していたり、2センチ程度のシコリ(浸潤癌)でもリンパ節への転移が確認されなかったり.....。また、初発の乳がん手術時にリンパ節への転移が確認されなくても、それなりの年月を経て遠隔転移をする場合がある。私が実際に本人から聞いた乳がんだけでも多種多様。そして、乳がんブログを覗けば、その多種多様性にますます驚かされる。いずれにせよ、「癌細胞を取り除けばそれでおしまい!」といった多くの人が持っているイメージからは遠い。

では、なぜ「乳がんは癌細胞を取り除けばおしまい!」ではないのか。また、初めての乳がん手術時にリンパ節への転移がなくても、後に遠隔転移してしまうことがあるのか。実は、私はその理由を乳がん手術直後あたりでもまだ理解していなかった。病理結果が出た頃にやっと理解した次第だ。

その理由を「私の理解レベル」で簡単に述べれば
・乳がんの癌細胞は乳管内で発生(乳管内の段階は非浸潤癌)。
・乳管内の癌細胞が乳管の壁を破り乳管外に出てくると浸潤癌になる。
・浸潤癌は、乳管外、つまりリンパ管や血管がある間質と呼ばれる場所で増殖し、シコリを形成。
・癌細胞はリンパ管や血管がある間質で増殖するので、微小な癌細胞がリンパ管や血管に入り込む可能性がある。
・リンパ管に入り込んだ癌細胞はリンパ節転移として確認できる場合もあるが、確認できない場合もある。また、毛細血管に入り込んだ癌細胞は確認する術がない。追記:術後の病理検査で脈管侵襲(リンパ管侵襲・血管侵襲)度合いから推測できる場合がある。
・リンパ管や血管に入り込んだ癌細胞は全身に回る可能性がある。が、その癌細胞の全てが生き残ったり、悪さをしたりするわけではない。
・免疫力が下がったり、癌細胞が長年かけて進化?し悪性度が増した場合などに、リンパ管や血管に乗ってやってきた乳がん細胞が骨・肝臓・肺・脳などの場所で増殖し発見されることがある(遠隔転移)。

つまり、「浸潤癌の場合は、リンパ管や血管に微小な癌細胞が入り込んで全身に回っている可能性がある」ということになる。何度も言いますが、これは私の理解です。間違っているかもしれません。

【参考】このブログで何度か紹介している「ビジュアル de 病態」。この図解は分かりやすい。一応断っておくが、これは製薬会社のHP上に掲載されている。

以前にも触れたが、上記の「ビジュアル de 病態(2011年3月)」の冒頭には、「乳癌の腫瘍細胞の浸潤・遠隔転移は、これまで腫瘍の進展過程の後期に生じると考えられてきたが、近年の研究では、腫瘍形成の初期段階から周囲への浸潤や血管内への流入が生じていることが示されている。また、転移した腫瘍細胞は、ただちに顕在化せず休眠状態(dormancy)で存在することも知られるようになった....」と記載されている。つまり、腫瘍形成の初期段階から周囲への浸潤や血管内への流入があることが分かってきたのは近年だ(参考:過去記事)。

なので、多くの人が「乳がんは癌細胞を取り除けば大丈夫!乳がんは早期発見すれば完治する」といったイメージを持つのも仕方がないのかもしれない。その一方、10月のピンクリボン・乳がん月間の時に、「再発闘病者支援の視点をもっと入れるべき。再発の不安を抱えながら生活をしているがん患者の現状をもっと伝えるべき」といった声も聞く。

とりとめのない文章....。こんなことを考えてしまったということです。
ダンカンさんの奥さんのご冥福を心よりお祈り致します。

 

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