今の想い
いよいよ明日7時にスタート!
台風の接近が心配される。
しかし、幾度と無く、船長やクルーとMTGを行い話し合う事で
何とかスタートを切る事が出来そうだ。
延期案もあったが、日本のはるか南海上には既にいくつかの熱帯性低気圧がある。
今の高い海水温を考えると、今後更に台風が5個程度出来る事が予想される。
つまり、前門の虎、後門の狼と言った状態。
であるならば、リスクコントロールを行い、(ベストではない)ベターケースの中でも
最善を尽くす事が重要だと判断した。
(明朝、最終案をクルーから聞くが)
明日は少し作戦を変更する予定。
あまり南下せず、ほぼストレートからチョイ下を狙い、泳ぐ計画。
と言うのは、海水の下は黒潮の影響で南から北に向かって流れているのだが、
表水面は風の影響で北西から南東に向かって流れている。
つまり、中和まで行かないが、黒潮の流れを受け難い状況を期待できる。
少なくとも今日の試泳では、流される事なく行きたいルートに向かって泳ぐ事が出来た。
台風と言うピンチを、少しでもチャンスに変えるべく
皆で、新しいプランを考えた。
そして、勝負は最初の24時間。
ここでどこまで進めるかが最大のポイントになる。
30分交代にすることで、それぞれのトップスピードを繋いで、台湾を目指す。
本来であれば10kmを2時間30分かからずに泳げるメンバーだが、
多少向かい風を受ける事もあり、10kmを3時間では泳げるだろうと予想している。
すると24時間では80km進む計算となる。
与那国島と台湾の直線距離は約111kmだから、理論上は残り約30km。
そこまでうまく行くとは思わないが、もしこの位置にいる事が出来れば
仮に台風がより接近しても、逃げ切れる可能性が高い。
******
自然相手は何が起きるかわからない。
でも、過去の大島チャレンジを通し、「その現場にいるからできる判断がある」事を学んだ。
怖いから何もしないのではなく、リスク管理を徹底し、まずは現場に行って、そして
周知を集め、次の一手を模索したい。
人間は自然と共に生きている。
自然を排他することは出来ない。
であるならば、自然の怖さ、厳しさを知った上で、
畏敬の念を持って、共存の道を模索したい。
******
明日の今頃は船の上で星空を見上げながら泳いでいるのだろうか。
めげそうなぐらい、怖い思いをしているのだろうか。
輝く星空に感動しているのだろうか。
どんな状況かは分からない。
でも、笑顔でいたい。
交感神経ではなく、副交感神経が優位になり、
仏像の様な笑顔となれるゾーンに入れていれば、
成功に一歩近づけると思う。
******
真の敵は自然ではない。
高い波でも、強い風でも、速い潮でもない。
何をやっても、その迷い、恐怖、不安は自分の心の中にある。
欲や執着が自分の気持ちを一喜一憂させる。
自分の心は海の底に沈め、
波の音、動きと調和できれば、ゼロの境地に入れる。
ゼロになったら、あとは命を燃やすだけ。
きっと沢山の想いが背中を押してくれる。
ゴールへの道は海が導いてくれる。
******
偶然にも今日は泳者6人が風呂で一緒になった。
男6人が真っ裸。
星空を眺めながら、それぞれの想いを語った。
******
3月に計画を建て、突っ走った半年が明日でスタートとゴールを向かえる。
今は気負いも、不安も無い。
とても落ち着いた時間を気持ちよく過ごしている。
この想いを、そして集まった若者達のエネルギーを、
全てを胸に台湾に向けて泳ぎだしたい。
笑顔で台湾に行きたい。
そして、ありがとうと伝えたい。
それが、新しい道のスタートなる。
NEVER SAY NEVER
鈴木一也
台風の接近が心配される。
しかし、幾度と無く、船長やクルーとMTGを行い話し合う事で
何とかスタートを切る事が出来そうだ。
延期案もあったが、日本のはるか南海上には既にいくつかの熱帯性低気圧がある。
今の高い海水温を考えると、今後更に台風が5個程度出来る事が予想される。
つまり、前門の虎、後門の狼と言った状態。
であるならば、リスクコントロールを行い、(ベストではない)ベターケースの中でも
最善を尽くす事が重要だと判断した。
(明朝、最終案をクルーから聞くが)
明日は少し作戦を変更する予定。
あまり南下せず、ほぼストレートからチョイ下を狙い、泳ぐ計画。
と言うのは、海水の下は黒潮の影響で南から北に向かって流れているのだが、
表水面は風の影響で北西から南東に向かって流れている。
つまり、中和まで行かないが、黒潮の流れを受け難い状況を期待できる。
少なくとも今日の試泳では、流される事なく行きたいルートに向かって泳ぐ事が出来た。
台風と言うピンチを、少しでもチャンスに変えるべく
皆で、新しいプランを考えた。
そして、勝負は最初の24時間。
ここでどこまで進めるかが最大のポイントになる。
30分交代にすることで、それぞれのトップスピードを繋いで、台湾を目指す。
本来であれば10kmを2時間30分かからずに泳げるメンバーだが、
多少向かい風を受ける事もあり、10kmを3時間では泳げるだろうと予想している。
すると24時間では80km進む計算となる。
与那国島と台湾の直線距離は約111kmだから、理論上は残り約30km。
そこまでうまく行くとは思わないが、もしこの位置にいる事が出来れば
仮に台風がより接近しても、逃げ切れる可能性が高い。
******
自然相手は何が起きるかわからない。
でも、過去の大島チャレンジを通し、「その現場にいるからできる判断がある」事を学んだ。
怖いから何もしないのではなく、リスク管理を徹底し、まずは現場に行って、そして
周知を集め、次の一手を模索したい。
人間は自然と共に生きている。
自然を排他することは出来ない。
であるならば、自然の怖さ、厳しさを知った上で、
畏敬の念を持って、共存の道を模索したい。
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明日の今頃は船の上で星空を見上げながら泳いでいるのだろうか。
めげそうなぐらい、怖い思いをしているのだろうか。
輝く星空に感動しているのだろうか。
どんな状況かは分からない。
でも、笑顔でいたい。
交感神経ではなく、副交感神経が優位になり、
仏像の様な笑顔となれるゾーンに入れていれば、
成功に一歩近づけると思う。
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真の敵は自然ではない。
高い波でも、強い風でも、速い潮でもない。
何をやっても、その迷い、恐怖、不安は自分の心の中にある。
欲や執着が自分の気持ちを一喜一憂させる。
自分の心は海の底に沈め、
波の音、動きと調和できれば、ゼロの境地に入れる。
ゼロになったら、あとは命を燃やすだけ。
きっと沢山の想いが背中を押してくれる。
ゴールへの道は海が導いてくれる。
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偶然にも今日は泳者6人が風呂で一緒になった。
男6人が真っ裸。
星空を眺めながら、それぞれの想いを語った。
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3月に計画を建て、突っ走った半年が明日でスタートとゴールを向かえる。
今は気負いも、不安も無い。
とても落ち着いた時間を気持ちよく過ごしている。
この想いを、そして集まった若者達のエネルギーを、
全てを胸に台湾に向けて泳ぎだしたい。
笑顔で台湾に行きたい。
そして、ありがとうと伝えたい。
それが、新しい道のスタートなる。
NEVER SAY NEVER
鈴木一也
