最後に自分を支えてくれるもの
50km泳いだ時に改めて感じたが、何だかんだ最後は辛くなる。
暗い海で泳ぎ続けるのは気分良いものではないし
時々手に触れる、生物は何だか分らず怖い。
10時間以上も海に入っていると舌は麻痺を通り越し、擦り切れたような状態になり、ピリピリ痛い。
クラゲの針は腕中に絡まるし、その針はしばらくの間、抜けないので
ビリッビリッという痛みと付き合わなければいけない。
長時間ゴーグルをしているせいで、目は血がたまったような感覚に襲われ、痛いし、
寒さから三半規管が狂い視界は常に揺れっぱなしの状態。
言うなれば、踏んだり蹴ったりの状態。
そんな状態が長時間続くと、流石の俺もめげそうになるものだ。
でも、そんな時に俺の心の支えになってくれるのは
恵加とおそろいの結婚指輪と、手の甲に書いた葵依の手形。
人間の手は本当に不思議。
脳や胸から遠いのに、気持ちに繋がっている。
手を水の中でギュッと握り、指輪を触る。
少ない視力の中で葵依の手形を見て、柔らかい手の感触と温かさを思い出す。
すると、不思議なもんで、体が温かくなるというか
手が軽くなるというか。
子供に勇気や夢を残そうとやっているチャレンジなのに、子供や妻から元気をもらう。
「ひとりじゃない」って家族を感じると、勇気が湧いてくる。
これが最後の武器。
超アナログだが、きっと最後の支えになってくれると思う。
本番まであと10日!
明日も全力で頑張ろう!