久しぶりの投稿である。アルバイトを始めてからすっかり時間がなくなってしまった。生きる目的が分からない、という記事の直後に無反応無更新になったら、心配されるのも当然であり、申し訳ない気分である。
5月中旬、慶應義塾大学で「食とメディア シンポジウム」 が開催された。例の中国食品偽造事件から、メディアについて考えるという企画であった。
まず食品偽造事件の概要についてまとめておく。
天洋食品が製造・加工していた冷凍餃子に、大量の有機リン系の殺虫剤(メタミドホス)が含まれていた。それを食べた千葉県、兵庫県の10名が中毒症状を訴えた。その食品は天洋食品に製造委託していた、日本の輸入元JTフーズの「中華deごちそうひとくち餃子(07年10月1日製造・大阪港陸揚げ)」と、JTフーズに委託販売していた生協の「CO・OP手作り餃子(07年10月20日製造・横浜港陸揚げ)」である。
原因の真相は明らかにされないが、検出された農薬の濃度が高すぎることから、これまでの製造工程上の残留農薬問題ではなく、人為的、意図的な混入ではないか、と専門家は推察している。(日本製教連・冷凍ギョーザ問題・検証委員会)
そもそもこの事件に対しての報道は、JTフーズと生協を叩くものや、中国食は危険だとか中国に敵視されているという面に焦点を当てたものが多かった。番組を見てうんざりするほど、マスコミはいつも一つの対象を敵に回し叩き、国民を一つにまとめて味方につけよう、という意図が見え透けている。
実際の輸入品の違反率を見ると、輸入件数最多の中国は0,09%、次ぐアメリカは0.12%、三位ベトナムは0.35%ときわめて低い。中でも中国産は日本の輸入食の3割をも占め一位であり、この違反率の低さを見れば、十分に安心できるものである。
次に「日本青少年研究所」の調査から、「食の安全に対する高校生の意識調査」という興味深いアンケートがあったので、考察する。無農薬など健康によいものを選ぶ日本の高校生の割合は30%強だった。日本、中国、韓国、アメリカにおいて、買い物をするときに安全性を確認する高校生の方が割合が倍以上高かった。
そこで有機農産物について、農産物流通・食品コンサルタント 山本謙治氏は語った。「有機農産物がいいものだと思われている。そこに明確なヒエラルキーはない。」科学ライター松長和希氏も言った。「安全ではない。健康でもない。イメージは嘘である。農薬は合理的に使って良い物だ。」
なるほど私はいかに固定観念にだまされていたかと痛切した。日ごろから疑っているつもりではあったが、つい根底から信じて疑わない情報もあるものだ。私は有機農産物が売っていたら、そちらを選ぼうと勝手に考えていたのだ。
(次の記事に続く)