私が通っていた小学校では、クラス替えが2年ごとでした。
5・6年の担任だったY先生は、子供の目から見てもかなり変わった先生で、今でもふとした拍子に当時を振り返ると頭の中がハテナでいっぱいになる有り様。
ハテナエピソード⑴
白紙の藁半紙をホチキスで束ねたノートを配り、黒板に書いた「算数の問題と答え」をクラスの全員に書き写させて回収した。
先生曰く「これを駅前で売る」んだそうで。
訳がわからない。
実際に販売したのか、販売したけど売れなかったのか。
全てが謎。
ハテナエピソード⑵
保護者懇談が近づくと、「親にこれは言ってほしいっていうこと、言ってほしくないこと、ある?」と一人一人呼ばれて聞かれる。
通知簿の配布前も同様。
児童にとっては自分に都合の悪いことが親にバレないため有り難いシステムなのだけど、通知簿に本当に「自分が言ったことそのまんま」が書かれているのを見た時、こう思いました。
「先生、考えるんめんどくさかったんやな…」
ハテナエピソード⑶
先生は論語が大好き。
毎週土曜に論語をひとつ暗記させる。
ちゃんと暗唱できるまで帰れない。
給食のない土曜。
覚えられない子は「覚えられない→帰れない→お腹が空いてますます覚えられない→帰れない」の無限ループ!
地獄やん。
よく保護者から苦情出なかったなと。
ハテナエピソード⑷
毎週の暗記で「教育基本法」を覚えさせられたことがありました。
これは今も覚えています。
「教育は人格の完成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」
法学部の学生となって六法全書を買った時、ごく自然に真っ先に教育基本法を確認したくらい、忘れられない文言となってます。
なぜなら、暗記当時から強烈な違和感を持っていたからです。
その違和感は、大人になった今ならハッキリわかります。
「それ、先生が肝に銘じなあかんことやん!」
ってことですね。
なぜこれを児童に暗記させたんだ??
謎。
ちなみにこれは旧法の第1条で、現行法ではかなり変更されています。
ハテナエピソード⑸
6年生の卒業間際、多忙な中でけっこうな時間をかけて、うちのクラスだけにあるプロジェクトが敢行されました。
「クラスをいくつかのグループに分け、グループごとにインタビュアーを決め、その他児童が一人一人、放送室でインタビューを受ける。インタビューの模様は放送室でテープに録音し保存」
このテープを聞いた児童は…いません。
謎すぎる!
エピソードは以上ですが、Y先生のことだから他にもトンデモエピソードがわんさかありそうです。
忘れてるだけで。
そして、この記事を書いている途中にひとつ、35年間勘違いしていた論語が発覚。
先生に「字は達せんのみ」と習ったとずっと思っていたものが、正しくは「辞は達せんのみ」(子曰、辞達而已矣) だった!
いや〜びっくり。