私、何を隠そう友人が少ないです。
その数少ない友人も、親友です!と断言する自信がありません。

子供を通じて知り合う、いわゆるママ友という名の友人にはとても恵まれて、息子が赤ちゃんの頃から数人の方とずっとお付き合いがあり、今もたまに集まってはおしゃべりをします。
しかし子供がまだ中学生の今、ママ友はママ友であって、純然たる友人ではないような気がします。


今日は子供の頃からの友人の話。

私は幼少時とても荒んでいました。
幼稚園の通信簿に
「優しさや思いやりに欠けます」
と書かれるほどのクソガキでした。
粗暴で口が悪く、弱いものいじめも平気でしていました。
母に愛情を注いでもらえなかったのが、そうなった原因です。
なんでもないことで毎日のように怒鳴られ、殴られ、「死ね!顔も見たくない!」と暴言を吐かれ、悲しくて泣けば「泣くな!」と言ってまた殴られる。
何をしてもケチョンケチョンにけなされ、褒められたことなど一度もない。
物心ついた頃からそんな生活でした。
兄や弟との差別も激しくて、絵に描いたような男尊女卑。
母はきっちりした人なので、衣食に関しては周りの家庭以上のことをしてもらっていましたが、買い物に行くというので一緒に行くと言えば「おまえは来んでいい!」と鬼の形相で怒鳴られ、足蹴にされる。
もう心はズタズタでした。
本当のお母さんはどこにいるんだろう?
といつも思ってました。
…紛れもなく母の子なんですが。
(残念ながら顔がそっくり)

そんな荒みきった子供時代でしたが、ある同級生と友達になったのをきっかけに変わっていきます。
その子とは小5で初めて同じクラスになりました。彼女は面倒見が良くて穏やかで、とても優しかった。
自分とは正反対のそんな性格に、まず驚き、惹かれました。
何より私の言うことやることでゲラゲラ笑ってくれた。
それがとっても嬉しくて。
家に遊びに行けばいつもミルクたっぷりの温かいコーヒーを入れてくれ、時にはりんごを剥いてくれました。
その子との付き合いを通して、体内に溜まりに溜まった怒りや不満が徐々に抜けていき、人に優しくなれて、私は道を踏み外すことなくまともな(たぶん)人間に成長できたのだと思います。

小5から中1まで同じクラスで、本当によく遊び、笑いました。
高校が別になってからはあまり会うこともなくなり、だんだん疎遠になって一時は年賀状のやり取りさえ途絶えていましたが、共通の友人がまとめ役になってくれて、数年前からまた会うようになりました。

乳がんのことも話したけれど、余計なことは何も言わないで、ただ一緒の時間を楽しんでくれる。
別れる時にはニコニコ笑って、ちぎれんばかりに手を振ってくれる。
友達ってありがたいです。