私はちょっとしたことですぐに腹を立てるのが欠点ですが、根に持つことは稀です。

45年生きてきた中で最高にムカっときて今も根に持っていること、聞いてくれます?
言いたいので聞いてくださいウインク

それは、息子を帝王切開で出産した時のことです。
手術室には、主治医の他に産婦人科医がもう一人(仮名:X)いました。
妊娠中に一度、腎盂腎炎になって救急車で運ばれたことがありますが、その時の当直医がこのX先生でした。迅速且つ的確に診断してくれたことには感謝してますけど、愛想悪いしチョイ悪オヤジみたいだし、「うわーこの先生が主治医じゃなくて良かったー」と思ったものです。

この帝王切開手術中、バンザイみたいに手を頭の上にしたポーズのままで身体が固定されていました。
時間が経つほどに左手が怠くなってきて、筋がよじれているのか肩に痛みも出てきて、我慢ならないほどつらくなってきました。
局所麻酔なので意識も上半身の感覚もありますから、もう本当につらかった。
でもキャーキャー騒いで似合うタイプでもないので必死こいて耐えてました。

息子がとりあげられ、後の処置をされる段階になってようやく、枕元にいる麻酔科医だけが私の異常に気付いてくれました。

「つらい?」って聞いてくれたので、左手と肩の現状を訴えたら、「じゃあこれもう取ろうね」と言って拘束を解いてくれたんです。

え、このヒト、神様? 天使様? 仏様?
ありがとうございます〜笑い泣き笑い泣き笑い泣き

痛みから解放されてホッとしたその瞬間、なんと足元近くにいたチョイ悪オヤジ風産婦人科医Xが、ものすごく感じの悪い口調で私にこう言い放ったのです。

傷口、いらいなや!!

つまり、
お前その自由になった左手で、まだパッカーン開いてるお腹の傷をいじるなよ!
ということです。

いやちょっと待てい。
誰が触るねん。
誰が、いや〜ん私のお腹ん中ってどんなんなんやろか〜閉じられてまう前にちょっと触ってみよか〜、ホイっ!
ってなんねん!
するわけないやろー!
アホかー!

はい、これが根に持ってることです。
12年経っても忘れてません。

そして、その日からずっと私は麻酔科医ラブです。麻酔科の先生なら誰でも大好きです。だってすごくないですか? 患者のつらさに気付いてくれるんですよ。
帝王切開後に受けた2度の手術は全身麻酔でしたが、麻酔科の先生が側にいてくれるだけで術前の恐怖が遠のきました。
お任せしてれば大丈夫と安心しきっているせいか、挿管の後遺症等も皆無でした。

医師と患者の信頼関係って、こういうことなんじゃないの?と思います。