米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』読了。



殺人のないミステリ。

小鳩くんと小佐内さんは本性を隠して高校デビューし「小市民」として生活しようと約束し互恵関係にある。

探偵みたいなことをして目立ちたくないのに謎解きをしなければならない場面に遭遇してしまう小鳩くん。

事件というより日常のちょっとした出来事の謎を解く。

自転車が盗まれたとかおいしいココアのつくり方の謎とか、そんなの。

短編集のようになっていてそうした出来事を解決していくのだが、「春期限定いちごタルト事件」という編はない。

ところが、最後には不穏な感じになり、すべての伏線が回収され、まさにこの一冊は『春期限定いちごタルト事件』なのだ。

読み進むにつれてどんどんおもしろくなった。

表紙にあるように「小市民シリーズ」なので、最近刊行された『冬期限定』まである。

夏、秋二冊、番外、冬を猛スピードで読破するのが今月の目標。