吉井奈々『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳』読了。



どちらかというとビジネス寄り・フォーマル寄りだけど、大学生くらいからは知識としてあって心がけたほうがよいと思われる内容でした。

また、女子とあるけどジェンダーレスな意識が通底していると思います。
いちばん大切なことは相手を思いやることだからです。

吉井さんは男性として生まれましたが性適合手術を受けて戸籍を女性にし、現在は男性と結婚しているそうです。
ご自身の人生経験から、自分のこと、相手のこと、ジェンダーのこと、ジェンダーレスについて、きっとたくさんたくさん考えられたと思います。
その上で、コミュニケーションスキルを伝える活動をされているんですね。

吉井さんは、自分を変えたくてもがいていたときたどりついたのは、仕事や暮らす場所や相手を変えることではなく、言葉を変えることだったと書いています。
人や社会とコミュニケーションして生きていかなければならないのですから、言葉を変えることで自分が生まれ変わりより円滑に過ごせるのなら、こんなにいいことはありません。

相手を傷つけない、そして吉井さんが強調しているのは、自分も傷つけないということです。
自虐やネガティブな発言は自分を貶めることにもなりますし、
相手が不快に不安に心配になるかもしれない言葉です。
素直な心で誠意のあるコミュニケーションをするためにも、日頃から自分を認めてあげる、褒めてあげる、許してあげる言葉を自分にかけることも大切だと書いています。

書面に使うには抵抗がないけれど、口に出して使うには少し堅苦しいような難しいようなフレーズも紹介されていました。
でも、大事なのは前述の通り思いやりなので、全て真似るのではなく、心に刻んでおいて、
自分なりに咀嚼した素直で優しくてあたたかい言葉を話せるようにしたいなと思います。

さらに、そうした言葉は、ついつい身内には使えないものですが、近しい人も大切にしないとね、と本書を読んで少々反省したのでした。