ホワイトデーが終わったある日
西門さんに頼まれて西門流の今度は桜の茶会の案内状の
お手伝いを頼まれた。
小筆書く仕事は、達筆な3名のお弟子さんと
家元、家元夫人、それに若宗匠と孝三郎さんの4人と私
私が西門流のそんな大事な挨拶状を書いての良いのか
ちょっと迷ったが・・頼まれたから仕方ない。
「休みの日なのに悪いな牧野。」
「ううん、大丈夫だよ。でも本当に私の字でいいのかな?」
「あゝ問題ない。お前の字は凄く良い字だ。」
「‥じゃあ頑張ろうかな。」
「そのお礼に今日はお前の好きな鰻料理用意してるからな?」
「お礼何ていいのに・・。それより西門さんに類のプレゼントの相談に乗って貰えないかな?」
「・・類の?あゝもうすぐ誕生日か。」
「そうなのよね、ホワイトデーに凄く良い物貰ったから
奮発して類にプレゼント考えてるの。
冬のボーナス貯めてるから…何がいいかな?」
「…類の欲しい物なんて…お前が居ればそれでいいんじゃねぇのか?
服にしても身に着ける物も…
俺達の場合…行きつけの店のスタイリストが用意して邸に持って来るから
態々店に行く事もないしな・・。」
「スタイリスト・・もしかしてスーツとかネクタイや靴も?
でもさ、気に入らないものがあったらどうするの?」
「あゝ・・新作が入荷したら邸に持って来る。
それで気に入らないのは類は絶対着ないから、次回分持って来る時返品になる。」
「・・・だから何時も新品のスーツがあんなにあるんだ・・。」
「あゝスーツなんて春秋、夏用、冬用そのたびに変えるんじゃない?
俺らは皆スーツはオーダーの特注品だから
それに合わせて、シャツとネクタイも揃える。」
「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ・・だからお金持ちのボンボンは嫌なのよ。
贅沢だとか思わないんだろうね?スーツなんて普通は5着あれば良いんじゃないの?」
「…そりゃあ・・お前が好きな奴がそういう奴なんだから
諦めるんだな?類は割と好み煩いからさ・・
普段着なら良いけどスーツは気に入ったブランドしか着ないぜ?」
「・・・・そうなんだ。じゃあ何がいいの?
着るものも身に着ける物も・・
私だって類に身に付けて欲しいのに。」
「牧野、そんなに悩むなよ。類はお前がくれる誕プレなら
例え、それが何であっても喜ぶと思うぜ?」
「そうかな?」
「あゝ保証して遣る。身に着ける物で良いんじゃないのか?」
「・・だから難しいんだってば。」
「…類が何を喜ぶか一番分かってるのは、お前だろう?
俺やあきらに聞くより自分の勘を信じろ。」
「勘って言ってもね・・ほら手が休んでるぞ?」
「あーーー。間違えたじゃん。もう一回最初からやり直しだわ。」
「考え事しながらやるからだろう?」
「そうだよね‥よし、これ書いちゃおう。
類のプレゼントは終わって考えるわ。」
「あゝ頑張れよ。」
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