眠くも無いのに自分のベッドで不貞寝している。
折角の三連休は牧野と温泉にも行けず
2月に咲くと言う河津桜を愛でる事も叶わずで
テレビを付けても面白く無くて
食事は何を食べても美味しくない。
砂を咬む感じで・・我慢できず途中で席を立った。
「類様、もうお食事宜しいのですか?最近お食事の量が少ないですし
今朝も何も召し上がってませんし・・他の物をご用意しましょうか?
何か食べたいものございませんか?」
「いいよ、何を食べても味が分からないから・・
食欲無い・・。はな枝は
気にしないで片づけていいよ。」
「でもそれでは類様のお身体が心配ですわ?
このままでは倒れてしまいます。」
「牧野が・・居ないと俺・・全然駄目なんだよ。
・・・牧野の卵焼き食べたい。」
「類様・・。」
「あいつ忙しくて会えないから‥
今夜も食事要らないから用意しないで良いよ‥俺、部屋で寝てるから起こさないでね?」
そう告げると類は気怠そうに自分の部屋に入りドアを閉め鍵を掛けた。
情けないけど牧野が居ないなら食事もテレビも要らない。
水さえ飲んでたら数日は大丈夫。
お腹が減らないんだから・・・。
はな枝には悪いと思うけど・・
牧野には会えないし・・
本当に何もしたくない・・・。
何かを考えるのも億劫なんだ・・・。
**********************
その頃つくしは・・。
美作家で双子ちゃんや夢乃さん、桜子と一緒に
生チョコレートトリュフを作っていた。
流石にフランスの有名菓子店のショコラティエ
ピエール・マルコの腕は魔法の様だった。
丁寧に教えてくれて、お店で買う様な綺麗な
繊細な沢山の種類のチョコレートトリュフが沢山出来上がり、皆満足そうに喜びの声を上げた。
抹茶味、アールグレー味、ストロベリー、ホワイトチョコ、ラム酒入り、ミルク味、
カフェオレ味、それにビターチョコを基本にトッピング材料で
それぞれが、ピエール・マルコに教えて貰いながら工夫して作った。
「うぁああ~綺麗。なんか宝石みたいだね?」
「本当に素敵ですわ私にチョコレートなんて作れるのか心配でしたけど
ピエールは教えるのがお上手だわ。」
冷蔵庫で冷やした後に、それぞれが専用の箱にそれを綺麗に並べてラッピングした。
「わぁ、つくしお姉様のとても美味しそう素敵だわ
どなたに差し上げるの?」
「あきらお兄様に?それとも総二郎お兄様かしら?」
「私?私は・・・。えっーと絵夢ちゃんと芽夢ちゃんは誰にあげるの?」
「「お父様と、お兄様と‥お友達。」」
「ふふっ先輩は花沢さんですわ。」
「桜子、私は美作さんと西門さんにも友チョコあげるわよ?
お世話になってるんだから・・。」
「でもそのハートの大きな箱のチョコレートは
花沢さんのでしょう?」
「…だって類は特別だから・・。」
「「えっ、つくしお姉様の特別は類お兄様なんですか?」」
「うん、そうなんだよ。」
RRRR・・♪
「先輩、スマホが鳴ってますわよ?花沢さんじゃ無いんですか?」
「えっ、私のスマホ?‥あゝ本当だ・・
類じゃなくて、はな枝さんだどうしたんだろう?」
「先輩、早く出た方がいいですわよ?」
「うん、ちょっと向こうで話してくるね?」
「はい、牧野です。はな枝さんどうかしましたか?」
「牧野様、今お時間宜しいでしょうか?
申し訳ございません、お休みの日に・・。」
「いえ、私に何か?」
「牧野様にどうしてもお願いしたいことがございまして・・。」
「私にですか?」
「ええ、牧野様にしか出来ない事なのです。」
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