「‥あの、おばあ様・・。」

 

「どうかしたの?」

 

「昔のお話を聞かせて頂けませんか?

私達の生まれた時・・それから幼少期から

両親が死んだ時、私達姉妹は何故両親と一緒では無かったのか?

それと、両親が死んだ後どうして果歩と私は

別々に引き取られたのかとか・・。

おばあ様にも思い出したくない事かも知れないけど

私の記憶喪失が治る、糸口が欲しんです。」

 

「そうね、私が知ってる事であれば話しましょうかね?

それで、美桜ちゃんが記憶を取り戻せるなら嬉しいわね?」

 

「お願いします。」

 

「先ずはあなた達姉妹のお父さんである、

私の息子の事から話しましょうかね?

 

息子の名前は佐倉明人(さくらあきと)

私の一人息子だったのよ?

T大学法学部を卒業後弁護士の道を進んだの。

勿論、主人は自分の跡を継いで欲しいから反対したけど

私は明人が弁護士になるなら、自分の思い通りの道を歩く事を

応援していたのよ。

明人はその後弁護士になったわ。

明人が30歳になった頃だったわ。

結婚したい人が居ると紹介されたのが

野村美和子さん、それがあなた達のお母さん。

美和子さんは弁護士修習生だったの。

子供が出来たからって結婚して、直ぐにあなた達が生まれたわ。

 

最初は結婚に反対してた主人もあなた達が生まれてからは

孫が可愛いから、何も言わなくなったのよ?

そんな主人が死んだのがあなた達が3歳の頃だったかしら?

主人を失った私は、暇を持て余していたから、

仕事で忙しい2人の代わりに、あなた達を預かっていたの。

そんな時だった・・・

あの、震災が起きたのは。

2人で出張先のホテルで・・地震後の津波で

遺体はが発見されたのは‥それから半年も先の事だったのよ・・。

可哀想に、遺体はとても酷い状態だったの・・。

それを‥思い出すと‥私も明人と美和子さんが可哀想で・・。

未だに遺体の見つからない人も居るから‥

遺体が見つかっただけでも・・良かったんだと美和子さんの

両親ともお話したのよ。

まだ小さなあなた達には親の死の意味も分からないから

良かったのかも知れないわねぇ・・でも両親とも失くしたあなた達が

不憫で・・葬儀が終わって暫くして

残されたあなた達を私が引き取ると言った時にね

自分達にとっても可愛い孫だからって・・

果歩ちゃんは自分達が引き取ると言われたので

言う通りに果歩ちゃんは野村家に引き取られたの。

姉妹仲良く一緒にとも思ったけど

野村さん達も娘を失ったばかりで私だけが残された孫を引き取るのは

私の我儘の様な気がしてね・・。

 

でも、中学生の頃までは初中後

果歩ちゃんは、私の処へ遊びに来てたのよ?

段々とお年頃になって来て、学校が忙しいとか

塾が忙しいとか・・友達と遊びに行くからと

来なくなったの、それでもお金が無くなるとお小遣いを貰いにだけは

顔を見せてたわねぇ。

そういう処は果歩ちゃんはしっかりしてると言うか・・・。

 

 

 


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

にほんブログ村のランキングに参加中です。

 

良かったら応援宜しくです