「類、それで例の音声は無事に届いてるか?」
「あゝバイク便で1日おきに届いてる。」
「はな枝さん、何か言ってないか?」
「多分、怪しいなとは思ってるとは思うけど・・
はな枝は大丈夫だよ。」
「そうか、・・・それで声はどうだった?」
「多分‥牧野だと思う。
喋り方とか・・独り言とか・・。
俺の知ってる牧野に間違いないと思うけど・・
本人に記憶が無いからなのか・・・確証はまだない。
それで、彼女に直接会いたいと思ってる。
会えば‥何か思い出す可能性もあるだろうから・・。」
「類、でもお前が変装した格好のままだと分からないと思うぞ?」
「それが問題なんだよね?あきらなんかいい方法ないの?」
「少し待っててくれ、何か方法を考える。」
「頼りにしてる、あきら。」
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「美桜ちゃん、来たわよ?」
「おばあ様、今日は早いのね?」
「だって、DVDの感想を聞きたかったのよ。」
「…人間関係が複雑すぎて
難しい上に・・怖かったです。」
「夜見たの?」
「いえ、おばあ様が帰った直ぐ後に・・
あれを夜一人で見る勇気は無いです。」
「そう‥昔美桜ちゃんが小学校の4年生ぐらいの時
果歩ちゃんと一緒に見たことがあるのよ?
記憶が無いから今は思い出せないのね・・・。」
「果歩も一緒に見たんですか?」
「ええ、そうよ。昔の事だものね。
覚えて無くても無理ないわ・・。」
「怖がってましたか?」
「…怖がってたわね、特に果歩ちゃんが。
美桜ちゃんは平気な顔して見てたわね?」
「私が?」
「ええ。」
「昔から、果歩ちゃんとあなたって時々どっちがどっちだか分からない
時があったのよね?肝が据わった方が果歩ちゃんと思ってたけど
本当は美桜ちゃんの方が度胸があったのかも知れない。」
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