真一郎兄さんが顔を見に来てくれた。
おかしな表現だと思わず笑った。
だって、私の顔は包帯で隠れて居るんだし
顏を見に来てくれたではなく、
逢いに来てくれたが正しいのよね?
真一郎兄さんの提案で顔の包帯を外して
フェィスマスクにしようと言ってた。
マスクの方が簡単だから。
そのサンプルを見せて貰い装着してる実際の写真も見て見たが
包帯よりは断然いいように見えた。
通気性も断然包帯よりいいらしい。
色も柄とかもあったが、無難にベージュ色にした。
一番目立たないと言われたからだ。
事故に遭って私はまだ自分の顔を見ていない。
傷がどれ程酷いのかも知らない。
怖いから見たいとは思わないけど見たら何かを思い出すかも・・・。
そう思うと余計に、怖気づいてしまう。
整形をしなくてはいけない程の傷…。
真一郎兄さんは私の顔を見ているから
暫くの辛抱だから、きっと元通りになるからと
励ましてくれるけど・・私はその言葉をどう受け取っていいのか分からない。
本当に手術で傷は消えるんだろうか?
相当酷い傷なのだろうか?
怖いけど見たい、見たいけど怖い。
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