美桜は誰も居なくなった部屋で一人

また、ウトウトと微睡みの中に吸い込まれそうになっていた。

 

「コンコン、美桜ちゃん具合はどう?」

 

「んんっ、その声は真一郎兄さん?」

 

「そうだよ、僕だよ。」

 

「なんだか私眠くなっちゃって・・・。あふっ・・。」

 

「それは、タイミングが悪かったかな?」

 

「ううん、そんな事は無いわ・・どうぞ?」

 

「じゃあ、ちょっと失礼するね?美桜ちゃんドクターサラの治療はどうだった?」

 

「サラ先生は‥優しいわ。それにカモミールティーをご馳走になったのよ?

とってもおいしくて・・。」

 

「カモミール?」

 

「ええ、そうよ。治療始める前にね・・・

リラックス効果があるんですってよ?」

 

「へえー?それで何か変化はあった?」

 

「うん・・確かにリラックス効果なのか眠くなっちゃって・・

いつの間にか起きたらこの部屋で寝ていたから、

何も覚えて無いのよね?…サラ先生何か言って無かった?」

 

「いや、僕は治療に関してはドクターサラに任せてるから

何も聞いて無いよ?」

 

「・・・そうなの?」

 

「あゝそうだよ。ドクターサラに任せると決めた以上変な口出しは

したく無いからね?」

 

「でも、真一郎兄さんは私の主治医でしょう?」

 

「もちろんだよ?記憶に関しての事だけはドクターサラに任せてるって意味で

美桜ちゃんの主治医は僕に変わりないさ。サラに相談されれば何時でも僕は治療の協力をする

つもりだよ?」

 

「…なんだか医師同士も大変そうねぇ。

私には難しくて分からないわ。」

 

「美桜ちゃんは僕を信じてればいいよ。美桜ちゃんが悪い様には絶対にしないから

僕を信じて?」

 

「…私は・・別に真一兄さんを疑ってる訳でも、信じて無い訳でも無いのよ?

ただ‥私には難しすぎて‥自分の事なのに分からないの。」

 

 

この全会話を、類とあきら、それに総二郎の3人は

病院の駐車場で長野の仕掛けた盗聴器を傍受して聞いていた。

 

 


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