日本で両親の代わりに幼い頃から
類の身の回りの事から躾に至るまで
教育を任せられた、はな枝に類は逆らえない。
「類様、牧野様には妊娠の事これからの事をどうするか
きちんと話されたのですわよね?」
「いや、そんな時間無かったし。
別に何も言って無いと思うけど?」
「それはいけません、直ぐに牧野様が安心できるお言葉を
類様がおっしゃらないと。」
「だって、つくし興奮してて泣いて喚いて…
俺、看護師さんに病室を追い出されたんだ。」
「…追い出された…?
何か類様が牧野様におっしゃったんですか?」
「別に…河口湖の病院で医師に産婦人科に行けと言われてたの
俺に黙ってた事と…それを知ってたら、うさぎ神社にも邸にも寄らずに
産婦人科に行ったのにって言ったら
私のせいにしないでよ!って怒っちゃった。」
「…類様、そこは黙っているべきですよ。
牧野様も色々考えていたのでしょうから。
妊娠は…本当に女性にとっては大変な事なのです。
もう少しお考えくださいませ。」
なんで俺が怒られるんだ?
黙ってたつくしの方が悪いんじゃないの?
「類様、またそんなお顔して…。
お小さい頃から変わりませんわね?嫌な事があるとそっぽ向く。
今回の件は、そっぽ向くなんて出来ませんよ?
当事者なのですからね?
お子さんが出来たのは二人の責任です。
牧野様は、類様のご両親に反対されると恐れているのではないでしょうか?
先ずはそこをどうにかしないといけませんね?
今はフランスは夜の11時ですわね?」
はな枝は自分の腕時計に目をやり
そして類の顔じっとを見た。
「面倒だな、あの人達に小言言われるの…。」
「類様。」
「分かってる、ちょっと電話して来る。」
RRRRR・・・・
電話に出たのは類の父、匠だった。
「アロー・・・」
「俺、夜分にゴメン起きてた?」
「類か?如何した珍しいなお前が電話だなんて…
会社で何かあったのか?」
「いや、プライベート。
俺、子供が出来た。」
「…類、聞こえなかった。子供って?
まさかお前の子か?」
「うん、つくしに子供が出来たんだ。」
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