「つくし、お医者様がみえたよ。」
「はい・・。」
トイレからつくしがお腹を押さえながら前屈みで出て来た。
「それじゃ、ソファーで診察しましょうか。」
「お願いします。」
「幾つか質問するけど答えられるかな?」
「は・・い。」
「食事する前は何か食べた?」
「えーっと・・」
「俺が答えます‥朝はお雑煮とお節の残りを。
お餅は3個だったかな?煮しめと数の子とか色々。
その後カフェで白玉お汁粉と升パフェ食べて・・
お昼は・・前菜のサラダにパスタとピザ一枚とアイスカフェラテ。
あゝそれと俺の残したパスタも食べてたかな?
その後は車の中でキャラメルフラペチーノとシナモンロール。
それからここのお料理を・・。
俺の分も殆ど一人で食べてました。」
「類‥そんなに詳しく言わなくても。」
「アハハ・・豪快な彼女ですな。
それだけ食べればお腹も痛くなる筈だ・・。
一応血液検査もしておきましょうかねぇ~。
炎症があるといけないから。
脱水症状も困るから痛み止めと点滴を1本しときましょう。
明日の朝検査結果が出るから病院に寄ってから東京に戻って下さい。」
看護師がつくしの右手から血液採取して
その後点滴を開始した。
点滴が終わるのに30分かかるのでカルテを手書きで書く
医師の横で
類は心配そうにつくしの顔を覗き込む。
「大丈夫ですよ、痛み止めが効いて来ますから
お腹と胃の痛みは楽になるでしょう。」
「えっーと保険証は持って来てます?」
「はい、バックの中・・お財布に入ってます。類お願い。」
「うん。」
類がつくしのバックの中からお財布を取り出して
保険証を看護師に渡す。
看護師はそれをカルテに書き写す。
類が不思議そうに尋ねる。
「電子カルテでは無いんですね?」
「今時、手書きのカルテなんて珍しいでしょう?うちの先生古いから・・。」
「何を言う僕は電子カルテ等嫌なんだよ・・少しも温かみを感じないじゃないか。」
「確かにそうですよね。」
類に言われて嬉しそうに笑う先生は本当にいい先生だと分かる。
「点滴は30分ほどかかります。終わるまでここで待機させていただきますね?」
「はい宜しくお願いします。」
「類、何か飲み物をお二人に‥。」
「あゝそうだね。」
「待つ間珈琲でも如何ですか?」
「いえ、お気遣いなく。」
「僕は頂こうかな?」
「もう、先生ったら。」
「ご遠慮なく、ホテルが淹れてくれるので
俺が淹れるより多分美味しいですから。」
「ふふっ、それじゃ私も珈琲をお願いします。」
「はい。」
類はフロントに珈琲を3人分頼んだ。珈琲を運んできたのは
このホテルの支配人だった。
「珈琲をお持ち致しました。
お連れ様の具合は如何でしょうか?」
「ええ、大分いいみたいです。」
「それは良かったです。喬橋先生ありがとうございます。」
「あゝ支配人さん、患者さんは大丈夫みたいだよ?」
「はい、安心致しました。それでは宜しくお願い致します。」
点滴のお陰か、つくしの顔色も良くなり
お腹の痛みも吐き気も収まったようだ。
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