つくしの笑顔を見れただけで漸く、
晴一も安堵の表情になる。
それを見て晴男は、父の晴一の前に急に土下座をした。
ソファーの間に正座した晴男は床に頭を付けた。
そして頭を上げると話を始めた。

 

「親父、ずっと謝ろうと思ってたんだ。
この間つくしを誘拐した夫婦から手紙を貰ったんだ。
これで2通目の手紙だった・・初めの手紙は読まずに捨てた。
読ませて貰って親父の考えが漸くこの俺にも理解が出来た。
今まで反抗的な態度を取り続けた事、親父を一人で長い間
京都に一人にしてしまった事・・今更ながら後悔していたんだ。
つくしの誘拐事件の責任を全て親父のせいにして・・・
素直になれなかった・・・。
俺らが何年も掛けて修行してやっと教えて
貰えた事をたった何か月で金を出せば教えて貰え、店が持てるなんて
俺には、甘いなとしか思えなかった・・。
何故そこまで店を増やす必要があるのかも、正直言って分からなかった。
親父は俺の憧れで、でもお菓子を作り出す独創性など俺には持ち合わせ
いねぇから、悔しい気持ちもあった・・。
子供みたいに拗ねてただけだって気付いた、大人げなく臍を曲げて
どうしようもねぇよな?」


 

深々と頭を下げる晴男、それを隣で見ていたつくしも同じように
晴男の隣に正座すると頭を下げる。

 

「おじいさん、お父さんとどうか仲直りしてください。お願いします。」

 

「晴男、つくし頭を上げて席に戻りなさい。
お前たちが土下座などする事は無いんだ・・。
そもそも、わたしがつくしを晴男の処から連れ出した事でつくしは誘拐されたんだし
わたしの孫だという事で恨まれたんだから・・・。
つくしや晴男夫婦には申し訳なく思ってる。
謝るのはわたしの方だ・・悪かったな、晴男・・つくし・・
本当に済まなかった。」

 

晴一が頭を深々と下げる。

 

「親父こそ、頭を上げてくれ・・。あの誘拐の事はもう忘れたよ。
あの時は正直親父を憎んだが、こうしてつくしは無事に戻って来たんだから。」

 

「おじいさん、私も子供で何も覚えていないの・・ちょっと前まで時々
あの頃の夢を見て魘された事もあったけど、最近はそういう事は全然ないのよ?
だからもう、おじいさんも忘れて?」

 

「つくし、怖い思いをさせて悪かったな?」

 

「もういいの。もう怖い事なんか全然無いから。」

 

「わたしを爺さんと呼んだあの若造のお陰か?」

 

「えっ?///うんそうだよ・・類のお陰だと思う。」

 

「気に入らんが仕方ないな。つくしが幸せならそれでいい。」

 

「良かったなつくし、これで類さんと結婚できるじゃねぇか?」

 

「嫌だな、結婚なんかまだ早いよ。」

 

「そうだ、まだつくしには早すぎる。」

 

「そうだよ、まだ花嫁修業だって終わって無いもの。」

 

「花嫁修業?」

 

「親父そうなんだよ、この花沢で花嫁修業をさせて貰ってるんだ。」

 

「・・・。」

 


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