視察を終えた楓は直ぐに司を自分の執務室に呼び寄せた。

 

「司さん、早速ですがその後あなたはお付き合いしてる女性は居ないの?」

 

「お付き合い?どういう風の吹き回しでしょうか?
あんたが俺の恋愛に興味を持つなんて・・・
季節外れの大型台風でもやって来るんでしょうかね?」

 

「ふふっ、司さんも面白い事を言うのね?
あなたに気になる女性が居ないなら、お見合いの話を進める事にします。」

 

「いないとは言って無いでしょう?それに見合いって性懲りもなく?
大河原滋の事で懲りたんじゃないんですか?」

 

「・・・懲りる?あんなものはこの財閥にとっては何の障害にすらなりません。
大河原さんもお嬢さんがご病気ですもの大変よね?依存症なんて
財閥の娘が・・・ご両親も忙しくて目が届かないとしても何をしてたんでしょうね?」

 

「ふっ、それをあんたが言うのか?あんただって子供の事なんか真剣に
考えた事が一度でもあるのかよ?」

 

「まあ、道明寺にはもう一切関係の無い事です。
それより好きな女性が居ると言うなら、紹介なさいな。」

 

「気になってる女はいるにはいるが・・庶民の女だ。
あんたが許す相手では無い・・・。どうせ俺の結婚はそれなりに
この道明寺に釣り合い、その上利益を齎す家柄じゃないと
あんたは絶対許さないだろう?」

 

「それはそうなりますね。」

 

「・・・ならば何故急にそんな話をするんだ?」

 

「今日、目黒川の再開発の視察で花沢社長と奥様にお逢したわ。
類さん大河原滋さんが紹介したお見合い話を断ったそうね?
でも正解だったわね、あの阿倍野静華さんってお嬢さん犯罪を犯して
逮捕されたそうよ。明日にはニュースになるでしょう。」

 

「犯罪だと?滋が親友だと言ってたあの女が?
父親の阿倍野議員が揉み消せなかったって事は、
まさか、殺人って訳でもねぇんだろう?まさか薬か?」

 

「いいえ、誘拐・・いいえ正確に言えば、あるお嬢さんを強姦目的に拉致監禁を
人にやらせたそうよ。」

 

「女の癖に‥そんな恐ろしい事を考えたのか?それで被害者は?」

 

「被害者は助かったそうだけど?」

 

「おかしな話じゃねぇか?あの阿倍野議員が揉み消せない話でも無いだろうに。」

 

「相手が悪かったわね、被害者が花沢類さんの結婚相手らしいわ・・。」

 

「類の結婚相手だと、俺は類から何も聞いて無いぞ?」

 

「牧野つくしさんとおっしゃるそうよ。和菓子晴庵の孫娘」

 

「牧野・・類が牧野の結婚相手だと?」

 

「ええ、直接ご両親に今日お聞きしたから確かな情報ね・・・。
ご両親の反対も無い様だからすぐにでも婚約するのではないかしらね?」

 

いつの間にそんな事になったんだ?
あの牧野と類が・・・そんな・・・。

 

「司さんどうかしたのかしら?」

 

「別に何でもねぇよ・・・。」

 

「ならばいいのですけど?
花沢も目の付け所がいいわね?和菓子のフランチャイズチェーンで軒並み
売り上げを伸ばし、和菓子でトップの座を守り続けている、あの牧野晴一の孫娘が結婚相手だなんて
これで花沢も安泰ね・・・。差を付けられたわね?
司さんあなたにはこの状況を抜け出す為に、
それ以上の相手を捜さないといけないわね?司さん話を聞いているの?」

 

「悪いが見合いは断る、牧野は‥牧野つくしは俺が類から力づくでも奪ってやる。」

 

「まあ、驚いた事。あなたが気になる女性って牧野つくしさんだったの?」

 

「あゝだから俺が類から奪い取っても文句は無いだろう?」

 

「それが上手く行くのなら・・私は何も言いません。
だけど、花沢家も牧野つくしさんの事は本気みたいですから‥手強いわよ?」

 

「そうか、じゃあ俺の好きにさせて貰う・・・。」

 

「では、あなたの成功を祈るわ。」

 

「・・・必ず成功してみせるさ。」

 

 

 

 


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