明日の仕込みがあるからと晴男と千恵子が花沢家を後にした。
つくしは、類とのオセロに夢中になりそしてまた
いつの間にか眠りこけてしまった。
何度も千恵子が揺さぶり起こしても起きない。

 

最初は連れて帰ろうと思ったがつくしを、店の二階にある住居に運ぶのは
酔ってる晴男には難しいだろうし危険である。
タクシーの運転手につくしを運んで貰うからと言ったが
類が首を縦に振らない。

 

匠やエリカに今夜はつくしを預かると言われて
晴男と千恵子はその言葉に結局甘える事になったのだ。


 

また花沢家で一晩お世話になる事になったのだが
つくし自身はまだその事に気付いてはいない。

 

「まだ、起きそうもないな?類、つくしちゃんを部屋に運んであげなさい。」

 

「ふふっ、あなた見てつくしちゃんって子供みたいね?
凄く愛らしい顔で眠ってる・・・。
もう25歳なんて見えないわ。20歳いいえ19や18でも通るかも知れないわね?」

 

「俺、つくし寝かせて来る。」

 

「私達も明日は早いから休もう。」

 

「ええ、あなた。類お休みなさい。」

 

「うん、おやすみなさい。」

 

軽々とつくしを抱き上げて、類はベッドに運ぶ。

 

「つくし、今日は魘されないといいね?」

 

「・・・・・・。」

 

安らかな寝息を立て、幼子のような顔をして眠ってるつくしに
悪夢が牙を出して襲ってこないようにと、つくしの額にキスをした。
後は、はな枝達に任せて類は部屋を出て自分の部屋へと戻った。

 

類は夜中、昨日と同じ時間につくしの部屋向かった。
そっとドアを開けて中の様子を伺う。
つくしは、スヤスヤと眠っている。

 

安心して自分の部屋に戻ろうとしてまた類は
つくしの部屋に入りドアを閉めると、つくしを少しだけ右の方に押しやり
自分の身体をベッドに滑りこませた。

 

二人で寝るにはこのベッド狭いけど、こうやってくっついて眠れるから
まあいいか。

 

類の独り言は、熟睡しているつくしには聞こえてはいない。

 

後ろから抱きかかえるように類はつくしの小さな体を包み込む。

 

あんた、柔らかくて暖かい・・・っおやすみ。つくし・・・。


 

翌朝、仕事だと寝惚けてる頭にもその事は分かっていた。
だが目覚めた場所が、自分の家で無い事にも気づいた。

 

「あちゃ・・ここって‥花沢家だよね?私また寝ちゃって泊めて貰ったんだ。」

 

つくしは、起き上がろうとして自分の背中に負ぶさってるものに気付く。

 

「あっ・・重いと思ったら・・類なの?」

 

「お・は・よ・う・・目が覚めた?」

 

「あゝ・・おはよう。ねぇ目が覚めてるけど・・なんでまた
ベッドに一緒に寝てるの?」

 

「あんたが、魘されたら可哀想だから?」

 

「私、魘されてた?」

 

「いや、昨日はぐっすり鼾かいてた。」

 

「鼾・・嘘。」

 

「くくっ、鼾じゃなくて大きな寝息だったかも?」

 

「えーっどっちなの?」

 

「じゃあ、寝息でいいよ?」

 

「もしかして、私を揶揄って面白がってる?」

 

「いやそんなつもりは無いけど?」

 

「あっ、私急がなくちゃ・・・着替えて店に行かないと。」

 

「パパさんが、ゆっくりでいいって、昨日言ってたよ?」

 

「いや、そういう訳にも・・ぐぅーっ」

 

「お腹の虫鳴いたね?朝ごはん食べて行きなよ?」

 

「いいよ、そんなご迷惑は。」

 

「今更でしょう?それにうちの両親も心配するしさ。」

 

「あゝおじ様やおば様にお礼も言わないと・・じゃあ着替えるからベッドから降りてくれる?」

 

「んっ、あーい」

 

「ちょっと、なぜ上半身裸なの?」

 

「だって、あんたがカイロみたいに温かいから・・。」

 

「だったら、別に一緒に寝なくても・・。」

 

「でも、俺人肌って好き・・・。人工的じゃないから・・。」

 

この人って‥本当に何を考えてるの?

 

「ねぇ?」

 

「何?」

 

「急がなくていいの?」

 

「あー、ああ、時間が・・もうさっさと自分の部屋で着替えて来て。」

 

「あい」

 

 

 

 


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