滋は静華の邸で3日間全く食べられなかった、甘いものを満喫していた。

 

「どう?美味しい?」

 

「ええ、凄く美味しいわ。本当に良かったわ静華にはお世話になっちゃって・・。」

 

「でもどうして、甘いもの中毒だって司さんにバレちゃったの?」

 

「それが、あの見合いの日。私レストランでデザート食べないで帰ったから途中でどうしても我慢できなくて
帰る途中で、司を車で待たせて和菓子屋によって、桜餅やお饅頭を20個も食べたものだから・・。
店の女の人が心配しちゃって、仕方ないからさ私は甘いもの中毒だって思わず言っちゃったのよ。
そしたらそこに司が来ちゃって・・。悪い事にその店の女の人と偶然司が知り合いだったのよね?
私が司の婚約者だと名乗ったらさ、店の女の人が司に急に怒り出してさ。
滋さんの病気の事知らないのかって・・ここで今20個もお菓子を食べたんだってバラしちゃうのよ?
酷いと思わない?それで司が恥かいたって言いだして
私を病院に連れて行くことになって、医者から3日間絶対に甘いのは禁止だと言われて・・・。
散々な目にあったのよ。」

 

「ふーん、何故その和菓子屋の女の人と司さんが知り合いなの?どういう知り合いか聞いたの?」

 

「ううん、別に聞かなかったけど?」

 

「怪しくない?何者なのよ、その女。それにしても司さんにそんな事言うなんて・・。
失礼な女ね・・。」

 

「名前は確か・・つくしって言うの。」

 

「つくし?ふふっ・・変な名前・・。雑草じゃない?」

 

「そうかな?私はかわいいと思ったけど。」

 

「大体、司さんがたかが和菓子屋の女と関係があるとは考えてもおかしくない?」

 

「・・・うーん、多分新しいプロジェクト関係で知り合ったんだと思うわ。
目黒川の商店街のお店だから。」

 

「・・目黒川の新プロジェクト?それって再開発の?」

 

「うんそうだよ。」

 

「うちのお父様もその話をこの間してたわ。商店街で反対運動が起きてるらしいわね?」

 

「へえ~静華随分詳しいのね?」

 

「あら、滋が知らなさ過ぎるんじゃないの?婚約者の仕事でしょう?」

 

「そうかな?」


 

その時滋のスマホに電話が入る。

 

「あら、司だわ?何かしら?」

 

さっき苛々して司に電話を掛けて繋がらない為に秘書の西田に電話をして1時間後に
電話を掛けるように伝えると言われた事など全く覚えて居なかった。

 

「はい、司?どうしたの?」

 

「どうしたって?お前が急用だと西田に伝言をしたんだろう?
悪かったな?会議が長引いちまって・・。
SPに連絡を貰ったが、今お前阿倍野邸にいるらしいな?
そこで何をしてるんだ?まさか医者と約束してるのに甘いものなど食べちゃいねぇだろうな?」

 

「そ・・そんな訳ないじゃない?大丈夫よちゃんと約束は守ってるわ。
私は静華にお見合いの話を聞きに来てたのよ。
そんな事より、類君に好きな人がいるって本当なの?
静華が日曜日のお見合いで類君にそう言われたらしいわ。
ねぇ、どうしてなのよ?類君は静華とのお見合いをOKしたんでしょう?」

 

「それ本当か?類が自分で好きな女がいるって言ったのか?」

 

「ええ、それが誰だか直ぐに調べてくれない?司が出来ないなら私が調べるわ。
私の大事な親友の静華を泣かせるなんて絶対に許さないから。
何処の女か分かったら絶対に類君からは手を引いて貰うわ。
絶対に別れさせてやるわ。相手がどんな女だって私は負けないわ。」

 

「滋、お前そんなに剥きになるなよ。」

 

「何を言ってるのよ当然でしょう?私の親友の静華をこのまま泣き寝入りなんて絶対にさせないから。」

 

「まあ、調べたら直ぐに相手は分かるだろうが・・。」

 

「司も、当然私達の味方でしょう?」

 

「あゝまあそうだが・・。」

 

「まさか、司本当は類君の好きな人を知ってるんじゃないの?」

 

「知る訳ねぇだろう?知ってたらお見合いなんてさせるか?」

 

「それもそうよね?じゃあ、よろしくね?私はもう少しここで静華を慰めてから邸に戻るわ。」

 

「あゝそうしろ。じゃ俺は忙しいから電話を切るぞ。」

 

「ええ・・。またね司。」

 

「電話、司さんからだったのね?それで類さんの事何か分かった?」

 

「ううん、司も類君に好きな人がいる事知らなかったらしいわ。
でも大丈夫よ司も私達の味方だから、相手の事直ぐに調べてくれるわ。」

 

「ええ、滋が私の為に色々司さんに言ってくれたのを聞いたから
私も安心したわありがとう。私達親友ですものね?」

 

「当たり前だわ。静華は私の親友だもの。」

 

「さあ、これも食べてね。滋の為にさっきメイドにクッキーも焼かせたのよ?」

 

「まあ嬉しいわ。頂きます。」

 

「ねぇ滋毎日私の家で甘いものを食べたらどうかしら?甘いもの食べられないのは苦しいでしょう?」

 

「そんなの、悪いわよ。」

 

「いいのよ?気にしなくても。それとも見つからないように私が滋の邸に甘いもの差し入れに行きましょうか?
何か食べたいものでもある?」

 

「甘いものなら何でもいいわ。そうねでも・・和菓子も良いわね。桜餅とかお饅頭、つくしって人のお店の
凄く美味しかったのよ?」

 

「ふーんそうなの?でもきっとそれは滋が甘いものに飢えていたからじゃない?
他のお店の桜餅でも美味しいと思うわよ?銀座に贔屓の老舗の和菓子屋があるから
そこの和菓子を持って行ってあげるわ。」

 

「嬉しいわ、流石私の親友よね?静華本当に私の味方はあなただけだわ。」

 

「ふふっ、いいのよ。滋の為だもの。毎回私が遊びに行くのも怪しまれたら
困るからか、その次の日はあなたがうちにくればいいわ。」

 

「あなたって本当に頭が良くて優しい人ね。あなたが親友で私本当に良かったわ。」


 

滋はまだ何も分かっては居なかった。
依存症の恐ろしさや甘いもの中毒の怖さを・・・。
そして本当の友達がどういうものなのかを・・。

 

 

 

 


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