第一章:二人の研究(7)
「どう、信じる気になった?」
「う…ん…。でも。」
嘘はついていない様だけれども-それでもまだ納得出来た訳じゃ無い。
「でも、なに?」
「グレイグって…人を湖に引き込む精霊でしょう?」
「言い伝えでは、そう言われているわね。」
「じゃあ、なんでそのグレイグに懐剣なんて貰えるわけ?」
そう、私にとって、グレイグとは怖い精霊のイメージしかない。
いや、私だけじゃなく、誰でもそうだろう。そう、伝説では言われている。
「ふふ。何も伝説が本当の事とは限らないわ。懐剣を貰った時の話をしてあげましょう-」
そういって、エリスは昔話を始めた。
・・・そう、あれはまだ、フィーと知り合って間もない時だった。
いつもの様にフィーと共に、狩猟の為に森に入った。
湖についた時、最初に気付いたのはフィーだった。
「おや、あんな所に船が…」
そう、指差した先には、綺麗な小船が浮かんでいた。
一人の金髪の女性が船には乗っていて-不思議な事に、鳥たちが集まっていた。
二人は、その幻想的な雰囲気に、思わずその場で見惚れてしまった。
「どうか、されましたか?」
ふいにこちらを向いたかと思うと、透き通った声で声を掛けられた。
「いえ、すみません、鳥を手なずけられるなんて、凄いですね。思わず見とれてしまって…」
私は慌てて、そう返事を返した。
「ふふふ、この鳥達は私の友達だから-」
そういって、にこやかに笑う彼女。
「もし、宜しければお昼を一緒に如何ですか? パンくらいしか無いですけど-」
そう声を掛けると、彼女はとても嬉しそうに、えぇ。と返事をすると、船を岸につけて降りて来た。
「ありがとうございます。チーズは、あるのかしら?」
随分と遠慮の無い人だな、と、少し違和感を感じながらも、有りますよ、と返事をすると、彼女は手を叩いて喜んだ。
「嬉しい。私、パンとチーズがあれば他に何もいらないくらい、大好きなんですよ。」
私達はお弁当を囲み、談笑した。
「こんな事いって、気を悪くしないで下さいね。」
不意にそう前置きをして、フィーが言った。
「最初、あなたを見たとき、こんなモンスターも出る森の奥で小船にのっているなんて-
伝説のグレイグに出会ってしまったのかと思いましたよ。」
彼女は、クス、と笑うと、
「伝説の、グレイグってどんな方なのですか?」
と聞き返してきた。
「う…ん…。でも。」
嘘はついていない様だけれども-それでもまだ納得出来た訳じゃ無い。
「でも、なに?」
「グレイグって…人を湖に引き込む精霊でしょう?」
「言い伝えでは、そう言われているわね。」
「じゃあ、なんでそのグレイグに懐剣なんて貰えるわけ?」
そう、私にとって、グレイグとは怖い精霊のイメージしかない。
いや、私だけじゃなく、誰でもそうだろう。そう、伝説では言われている。
「ふふ。何も伝説が本当の事とは限らないわ。懐剣を貰った時の話をしてあげましょう-」
そういって、エリスは昔話を始めた。
・・・そう、あれはまだ、フィーと知り合って間もない時だった。
いつもの様にフィーと共に、狩猟の為に森に入った。
湖についた時、最初に気付いたのはフィーだった。
「おや、あんな所に船が…」
そう、指差した先には、綺麗な小船が浮かんでいた。
一人の金髪の女性が船には乗っていて-不思議な事に、鳥たちが集まっていた。
二人は、その幻想的な雰囲気に、思わずその場で見惚れてしまった。
「どうか、されましたか?」
ふいにこちらを向いたかと思うと、透き通った声で声を掛けられた。
「いえ、すみません、鳥を手なずけられるなんて、凄いですね。思わず見とれてしまって…」
私は慌てて、そう返事を返した。
「ふふふ、この鳥達は私の友達だから-」
そういって、にこやかに笑う彼女。
「もし、宜しければお昼を一緒に如何ですか? パンくらいしか無いですけど-」
そう声を掛けると、彼女はとても嬉しそうに、えぇ。と返事をすると、船を岸につけて降りて来た。
「ありがとうございます。チーズは、あるのかしら?」
随分と遠慮の無い人だな、と、少し違和感を感じながらも、有りますよ、と返事をすると、彼女は手を叩いて喜んだ。
「嬉しい。私、パンとチーズがあれば他に何もいらないくらい、大好きなんですよ。」
私達はお弁当を囲み、談笑した。
「こんな事いって、気を悪くしないで下さいね。」
不意にそう前置きをして、フィーが言った。
「最初、あなたを見たとき、こんなモンスターも出る森の奥で小船にのっているなんて-
伝説のグレイグに出会ってしまったのかと思いましたよ。」
彼女は、クス、と笑うと、
「伝説の、グレイグってどんな方なのですか?」
と聞き返してきた。