ワタシが軍艦島を知ったのは
「ワンダーJAPAN」という本
だったと思います
 
 
「ワンダーJAPAN」は
廃墟、B級・珍スポットや
面白い建物などを紹介してある雑誌で
現在は廃刊してます
 
 
 
「海上廃都」と題しての
軍艦島特集でした
 
 
軍艦島はまるで
「ボイジャーが降り立った火星のようだ」
って形容して
あったかと思いましたが
ボイジャーは火星に降りてませんでした
ワタシの記憶違いかな・・
 

この本がきっかけで
ワタシは軍艦島に
興味を持つようになりました
 

さて
軍艦島とは・・
ご存じない方にご紹介します
 
長崎から西南へ17キロ
東シナ海の海の中に
岩と砂浜でできた小さな島
「端島」がありました
 
1810年に石炭が発見され
1890年に佐賀藩から三菱が島を
買い取り、本格的な炭鉱施設として
採掘が開始
 
島はわずかな岩礁と砂浜を
足がかりにしてコンクリートで固められ
人工的に拡張されていき
やがて岩壁で囲まれた
軍艦の姿そっくりになり
「軍艦島」と呼ばれるようになりました
 
長さ480m、幅160m、周囲1.2km
の狭い土地に
最盛期の1960年代には
5200人もの人が住み
世界最大の人口密度となりました
良質の石炭を算出し
八幡製鉄所等の原料炭として
供給されていましたが
エネルギー政策の転換や作業現場の
遠距離化により
1974年1月に閉山
同年4月に島民は一斉退去し
一瞬にして無人島になりました
 
それから廃墟として
放置されていましたが
2005年に島の周囲を周遊する
軍艦島クルーズが開始され
 
2009年
軍艦島の上陸ツアーが
開始となりました
 
2015年
世界文化遺産に正式登録
 
そんな軍艦島ですが
2010年夏に
上陸ツアーに
参加しました
 
 
なんで
14年前の話❓なのかと
いいますと
先日
昔のSDカードを
たまたまカメラに差し込んだら
上陸ツアー時の写真を見つけて
懐かしく思い
ブログアップした次第です
 
 
 
 
 
海の中に
いきなりぽっかりと現れる
高層建物群が林立している島
でも人が住んでいる気配や
にぎやかな雰囲気は全くない
異空間の島
 
なんだか不思議に思えました
 
 
この日は上陸できましたが
・風速5mを超えるとき
・波高が0.5mを超えるとき
・視程が500m以下の時は
上陸できないみたいです
 
 
 

 
 
 
軍艦島から採掘された石炭を
貯炭場へ運ぶために
設けられたベルトコンベアの
支柱跡が並んでいます
 
奥に見えているのは
7階建ての端島小中学校
 
1~4階までが小学校
5階、7階が中学校
6階は講堂兼体育館などが
あったそうです
 手前は体育館ですが
もう骨組みしか
残ってないですね

 

 

第2見学広場からの
眺めだったかと思います
灯台の横には貯水タンク
 
第二竪坑入坑の桟橋跡が
見えます
ここには第二竪坑の
リフトがあったそうです
その巻き上げ櫓は高く
軍艦島の
シンボル的存在
だったようです
 
ここから
炭鉱マンたちは
リフトにて
地下606mまで
垂直下降し
そこから横へ坑道を進み
更に地下1010mまで
斜坑が続いていました
 
再び地上に上がってきたとき
生きているとは必ずしも
保証できない過酷な地底の環境
ここは命の橋渡しの場所でも
あったわけです
 
 
 

 
 
レンガの建物が総合事務所
レンガ壁面の裏手に
浴場があったそうです

 

 
 
第3見学広場からの眺め
1916年に
日本で最初に作られた
鉄筋コンクリート造りの
アパート
30号棟が見えます
(左側の建物です)

下層の4層が完成した後に
上部の3階部分を増築し
鉄筋には
炭鉱の巻き上げ機の
ワイヤーの残材が
活用されているそうです

2010年では
この状態でしたが下矢印
 

 
 
14年経った現在の状況は・・
(画像をお借りしています)
崩壊がハンパないようです

なんでもこの建物は
昭和28年に
上層の部分をそっくり
残したまま
下層の4階部分の鉄筋を
取り替えて
コンクリートを
打ち直しているそうです

 
 

 
 
そういえば
廃墟の本に

「そこにその建物が
今も存在しているかどうかは
そこに行ってみなければ
わからない」

という
一文がありました

刻一刻と
状態が
変わるからでしょうね



 
この島にたくさんの人が住んで
不夜城のように
炭鉱施設がフル稼働し
活気に満ち溢れていた時代が
島としては
一番よい時代だったとは
思いますが
 
 
 
「朽ちていくものの美しさ」
を感じられる今の軍艦島も
ワタシにはとても
魅力的に思えるのです
 
 
 

 
 
 

 

 

1954年頃の
人が住んでいたころの

軍艦島を撮影した

奈良原一高の写真集「人間の土地」
彼がこの写真を撮ったのが
22歳って信じられないです
 
人の生活の
温もりがあったころ軍艦島や
炭鉱マンさんたちの
過酷な環境で
生き抜くパワーを
感じることができます
 

 

 
 
DVD「HASHIMA 軍艦島2010」
人が住んでいたころの軍艦島と
廃墟となった軍艦島
どっちも収録してあります
カラー映像なので
そんな昔に思えないのです
 
廃墟となった建物群に
静かに降り注ぐ雨の映像があるのですが
その音楽が映像にあっていて
ノスタルジーに浸れます
 
島民にとっては
廃墟の島ではなく
思い出が
たくさん詰まった故郷の島
そんな島なのに
朽ち果てていく悲しさ
島への鎮魂歌のように
なんだか聞こえました
 

このDVDはBGMが
印象に残るものばかり
おススメです

 

 
 

 端島には
一つの独立国家のように
完結した
運命共同体の世界が
あったことを
感じずにはいられません



よく見たら
30号棟が
まだ今みたいに
崩壊してないね下矢印
 



軍艦島のお隣の島
中ノ島に行った時の写真も
見つけたら
そのうち
ブログアップしたいと思います