ショートショート<後編>
前編をまだお読みでない方は
まず前編をお読みください
あー、頭がガンガンする
真っ暗で何も見えない
こんな感じ、前にも同じことがあったような、、、
うーん、思い出せない、、、
なんか麹のような匂いがするが、
ここはいったいどこなんだ?
変な夢を見ていた
愛する人を殺して埋める夢なんてどうしてみたのだろう
あー、頭が痛い
あれ、何か生温かくてぬるぬるしてるぞ
こっ、これは、
血!
この時、男の記憶が走馬燈のように蘇った
俺が彼女を殺したんじゃない!
俺が殺されたんだ!
俺は、すでに死んでいるのか?
地中に埋められて、誰にも見つからず朽ちていくのか、、、
都内某所にある廃墟となった醸造工場跡
閉鎖されてかなりの年月が過ぎているが、麹の香りがかすかに感じられる
レンガ造りの工場の横、女は新しい恋人と歩いている
見ると 二人の服には、まだ湿った土がこびりついている
が、二人とも振り払うこともなく無言のまま歩いている
さっきまでの雨が、いつのまにか雪に変わっている
ファブリアーノ・アルティスティコ B F6 / 透明水彩
エンドロール/エンディング曲
「雪が降る」アダモ
*本ショートショートはすべてフィクションです
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< 絵について >
2022年12月
参加している裸婦デッサン会から出展案内があった作品展会場に絵を搬入後
「帰り」がてらの駄賃に スケッチ仲間と展示会場の近隣にある旧醸造工場でスケッチ。
この日は雨確率20%の予報だったので、まあ大丈夫だろうと油断していたら、
1stウオッシュが終わった頃、雨がポツポツと、、、
あわてて軒先に避難したのですが、時すでに遅し。
画面上に雨粒の跡が鹿の子模様に。
どうしようかと思ったのですが、
閃きました!
風に乗ってどこからか飛んできた粉雪が舞う風景にしてしまえ!
そこで、第2ステップ
空にグレーを加え、濡れた地面に映り込みも入れ、雨の情景に
さらに、ホワイトをスパッタリング
雪の風景にして完成させました。
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