小さい頃

 

 

晩ごはんの前なのに

 

遊び道具を散らかしたままにしていたり

 

 

 

もう寝る時間なのに

 

弟とはしゃいで部屋の中を飛び回っていたりすると

 

 

 

 

 

お父さんがそれを見て

 

「早く片付けないと~」とか

 

「早く寝ないと~」とか言ったあとに

 

 

 

 

 

げんこつに「ハ~ッ」と息を吹きかけて

 

 

「10数えるうちにやらないとげんこつだぞ~」

 

と言って

 

 

カウントダウンを始めることがあった。

 

 

 

 

 

「い~ち…」

 

「に~い…」

 

「さ~ん…」

 

(正確には"カウントアップ")

 

 

 

 

きゃあきゃあ言いながら私と弟は片づけ始める。

 

それでげんこつはまぬがれる。

 

 

 

 

でも寝る前というのは楽しすぎて

 

ふとんに入るのがどうしても惜しくて

 

 

 

弟と一緒に笑いながら

 

げんこつから逃げ回っていて

 

 

 

 

 

結局10カウントまで数えられて

 

 

 

頭の両側から

 

お父さんの固いげんこつでぐりぐりぐりっとやられる。

 

 

 

「いた~い!」と言いながらもゲラゲラ笑っているのだけど

 

結局おとなしくふとんに入って

 

 

ふとんの中でもまだ弟とクスクス笑いながら

 

 

それでもいつの間にかぐっすり眠ってしまっていた。

 

 

 

        ☆彡

 

 

 

昨日どうしてもやらなくてはいけないことがあるのに

 

なかなかやる気にならなくて

 

 

のばしのばしにしている時に

 

 

ふとこの

 

『お父さんのカウントダウン』を思い出した。

 

 

 

 

 

それで自分で

 

「い~ち…」と声に出してみた。

 

 

 

するとその瞬間ふっとおかしくなって

 

「ぱっぱとやるか」

 

 

 

と思って

 

重たい腰をあげて

 

 

一気に片づけた。

 

 

 

 

 

 

そして今朝起きてからも

 

めんどくさいいくつかのことを

 

 

 

あのお父さんのカウントダウンを思い出して

 

「言われないうちに」

 

なんて思って

 

 

ぱぱぱっと片づけた。

 

 

 

 

 

これって何かに似ているなあ

 

と考えていて

 

 

"タイマーをかけて作業する"

 

っていうのをやったことがあるのを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

タイマーは

 

『作業を始めてから終わらせるまで』のカウントダウンで

 

 

 

お父さんの方は

 

『作業を始めるまで』のカウントダウン。

 

 

 

 

 

私はどちらかというとこの

 

『作業を始めるまで』がぐずぐずしがちなので

 

 

 

 

 

いつまでも引き伸ばしたくなる時は

 

 

きっかけのスイッチとして

 

あのお父さんのカウントダウンをやることにした。

 

 

 

 

 

実際に口に出すと

 

 

あんなことできゃあきゃあ逃げ回っていた

 

自分と弟の姿が思い浮かんで

 

 

くだらなすぎて気持ちがふっとゆるむのがポイント。

 

 

 

        ☆彡

 

 

 

今日は音楽の課題をやりたかったので

 

気になることが一気に片付いてよかった。

 

 

スッキリいい気分。

 

 

 

 

 

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