こんにちは。今季の体制を書きたいところですが、フォード、シボレーともに体制が未確定のチームがあるのでまだやりません。代わりにちょっと変なことを書いてみます。

 私のイチオシドライバーであるリッキー・ステンハウス君ですが、大抵の人にとって彼のイメージはクラッシュでしょう。現地ではWrecky Spinhouse なんて呼ばれたりしてる、そんな彼のクラッシュ達の中で個人的に好きなものを5つ紹介したいと思います。

  第5位 NASCAR世界大戦勃発

 第5位に輝いたのは昨年のインディアナポリスで起きた事件です。レース中盤、全ドライバー中でも特にロードコースを苦手とする彼は20番手台後半を走行していましたが、まさかまさかでその近くを元F1ドライバーのバトン、可夢偉が走行していました。
 バトンはバトル中ステンハウスにミサイル気味に接触。するとその後反撃のつもりなのかバトンにイン側からアタック。撃墜を完了します。
 するとその数周後、彼の前には小林可夢偉が。フロントストレートで中継は可夢偉のバックオンボードを放映しましたが、そこに映っていたのは止まる気のない青いカマロ。そのままごツンと接触し可夢偉はこの日2度目のスピンを喫しました。
 正直ステンハウスくんがかなりレイトブレーキ気味なのは元々で他の人相手にも過去にやらかしてますが、あろうことかゲスト枠のF1ドライバー達をヤッてしまった彼。そんな彼は世界中から注目を集めることとなりました。
 一部のスポッターからは世界大戦を起こすつもりなのかとも言われる始末(笑)レース全体としては撮れ高が少なかったのもあり、撮れ高を意識した動きは流石プロというところ。



  第4位 2018 ファミリー・ガイじゃないんだから

 続いては2018年のデイトナ500から。前年夏のデイトナを制して自信満々でデイトナに帰ってきたステンハウスくん。事件はステージ1最終ラップに起きました。
 2位でむかえたバックストレート。後ろから大手チーム移籍初レースのブレイニーがアグレッシブな動きで攻めてきました。普通ならリスクヘッジで相手しないような動きでしたがリッキーはこれを思い切ってブロック。ブレイニーも予期してなかったのか変な角度でステンハウスを押してしまい写真のような状況に。
 終わりかと思いましたがまさかまさかの超ナイスセーブ。更に一応回避行動を取っていたブレイニーも失速し前で2台がパックを蓋する形に。これを後ろのパックが対応しきれるはず無く、ビッグワン発生。ジョンソンやジョーンズといったトップチームのドライバー達が早々にレースを終える事になりました。
 NASCARファンの間で有名なミームとして、アニメファミリー・ガイのアジア人女性の運転を揶揄するシーンのものがありますが、このクラッシュはまさにそれそのもの。(載せる気はないので、知らない方はご自身でググってみてください)
 本人は何事もないように2位でステージを終えたほか、チームメイトのベインが上手くスルーして順位を上げたのも芸術点が高いところですね。


  第3位 2018 あゝ不幸、、かと思いきや

 第三位にランクインしたのは伝説のレース、2018年コークゼロ400からラーソンとのクラッシュです。
 レース終盤、ピットアウトからトップ隊列に加わろうとしていたステンハウス。その真ん前でラーソンのマシンのタイヤがパンクしスピン。避ける余地もなくクラッシュしました。
 とまあ、これだけならただの不幸話ですが、実はラーソンはタイヤ云々の前にマシンがダメージでした。そしてそのダメージの原因はというと、、そう、ステンハウスくんが起こしてたビッグワンです。自身が壊したマシンにやられるというまたも芸術点が高いアクシデント。
 ちなみに2つのビッグワンを起こした彼ですが、寮友ベインはこれらも両方スルー。更にいうと、3回のコーションの原因、絡んだのは計5つのアクシデントととんでもない内容でしたが、なんとか完走し、ステージポイントも含め40ポイントを獲得。これはこのレースの最多獲得ポイントタイだったりします。
 ここまでちゃっかりしてるのもまた、かわいいところですね。


  第2位 Checkers and Wreckers!

 第二位は2011年夏のデイトナ。Nationwide シリーズ(現xfinity)で起こったクラッシュです。これに関しては本人は被害者的な側面が多いですが。
 師匠エドワーズを従えリーダーで迎えたファイナルラップ。ターン4を抜けた時点で1秒は差があり、これは決まりかと誰もが思ったその瞬間でした。あろうことかステンハウスのマシンがエンジンブローを起こし急失速します。
 真後ろにいたエドワーズはオイルに乗ってコントロール不能なのか、それともぶつかったほうが面白いと思ったのか、ステンハウスのリアバンパーめがけてまっしぐら。ダブルクラッシュしながら僅かな差でステンハウスがレースを制しました。
 動けないボロボロのマシンから出てきてガッツポーズをするステンハウス。プリレースの振り返り映像でこのシーンを見たのが私が彼の存在を知るきっかけだったのですが、これを見て彼がステップアップしたら応援しようと思いました笑
 今でも定期的に見てしまう大好きなシーンですね。白煙を吹いたボロボロのマシンに乗って喜ぶリッキーはまじ可愛いので見たことない方はぜひぜひ見てください。


  第1位 コロナの緊張を和ます伝説の出落ち

 第一位に輝いたのはこれです。当ブログでも散々いじってきましたが、コロナ禍から再開した最初のレースの一周目。ターン2の出口でまさかの自爆を見せてくれました。
 無観客で静まり返ったトラック。コメンタリーたちからも緊張が感じられていたなかで写った写真の場面。笑うしか無いですよね。見ながらゲラゲラ笑っていたのを今でも覚えています。
 NASCARファン達からも、再開前まで行われていたiRACINGになぞらえて「クイックリペアはないぞ」と呆れられながらいじられたり、「Wrecky Spinhouse」と言われる始末。
 とはいえ、彼の果たした功績は大きなものだったのかなと思っています。世界のスポーツの中で最初にコロナ休止から復活したNASCAR。世界中が注目していたかと思いますが、この茶番劇でNASCAR界全体の緊張がほぐれたと言っても過言でもないでしょう。
 止まった時間を動かしていつものNASCARを取り戻したのは彼と言っても過言ではないでしょう。個人的にも大好きなクラッシュです。


 とまあ、クラッシュを見てきましたが、ミスがありながらもアグレッシブな走りで名シーンを生んでくれたステンハウスくん。最近はやられる方が多いようなイメージなので、今年は久々に大きな花火を打ち上げて欲しいなとおもいます。期待しましょう。