12月のチケットは取れなかったが、今月の追加公演はしっかり。
蒼井優ちゃんの時はいつも後ろなのに、
おっさんの二人芝居は席が良い
 
そんなわけで三谷幸喜演出・西村雅彦・近藤芳正の
『90ミニッツ』

90 

個室での2人の戦い・・・程度の予備知識で行った。
外科副部長が西村。
患者の少年の父親が近藤。
 
冒頭、特定の宗教・団体を意図している訳ではないという注釈が。
テーマは某宗教の信者が起こした、少年の手術に於ける輸血に同意しないで
亡くなってしまった事件をモチーフにしている。
 
正直、なぜいまこれをと感じた。

タイトルの90分は、90分以内に手術を始めれば(輸血をすれば)
少年は助かるというもの。
タイムリミットが迫る中、医師は説得を、父親は拒絶を。
と書くと一方的に思えるが、医師は教授の座が近づいている中、
面倒な裁判沙汰は避けたいという思惑もある。
 
個人的には、信教の自由は認めつつも、他人の血が不浄で
輸血を受けないなんてのは馬鹿げた話だという思いがあるので、
前述の背景があろうがなかろうが、そんなオヤジは放っておいて
とっとと輸血して手術しちまえという考え方なので、
葛藤する意味がわからなかった。

一方、瀕死の少年を想起できないのか、どうでもいいとこで
笑う観客との距離感も感じた。
 
また裁判沙汰を避けたいという設定のはずなのに、
100%助かるとか絶対大丈夫と安易に言い放ってしまう医者も
どうなのよ。

結局、笑いも感動も考えせられることもなく過ぎてしまった。