まだ数人しか校門を出てないくらいに
校門をでて
校舎を振り返りながら
帰ってきた
本当にあーくんはこの学校に入れてよかった
幸せだったねとおもいながら。
いい卒業式だったから子供の帰りが楽しみで弾んでいたのかもしれない今思うと。
夜帰ってきた
一日卒業式とその後の打ち上げで疲れきったあーくん
校長先生の挨拶よかったね
と言うと
校長は本当いい先生でしょっちゅう校長室に行ってた写真も撮ったよ
見せて今度見せてというと
あとだね
中学からの友達のお母さんに話しかけられたと。
そのお母さんはホームルームに行ったんだな
帰りも息子と写真撮ったんだなとその時思った
ホームルームにおかあさんたちきてた？と聞くと
結構いたとあーくん。
私行ったら嫌でしょだから帰ってきたといったら
そうだねとあーくん。
いきたかったなと小さな声で言うと。
うざいから
うざい親だから
と言われた。
しぜんとなみだがでてきた
あーくんに泣きながら叫んだ
うざい親が教室に行けなくて
うざくない親が教室に行けたんだね！
お母さんそんなにひどい母親だったんだねと
わんわん泣いたわたしが。
こういうことをやるからうざい母親なんだろうけど。
私も教室に行きたかった
ホームルーム行きたかった
みんなが教室にいくのに
ひとり校門をでた
外はまだ誰もいないところを
ひとりでた私の気持ちが
あーくんにはわからないだろうねと
わんわん泣き出した
いろんなことがこみあげた
死ねと息子にいわれてほんとに死んじゃった
糸子ちゃんのことを思い出した
糸子ちゃんの気持ちがよくわかった
私がうざいと思われる親になってしまったことを
自分がわるいと自分で責めたらまた洪水のように涙がでた。
こんなに泣かれると思わなかったあーくんは
絶句
彼も涙がでていた
ごめんなさい🙏🙇♀️
おかあさんは他のお母さんと同じで
いいおかあさんです
うざいというのは
ホームルームや
一緒に写真をとって友達と仲良くしてるのを見られるのが恥ずかしいから
それもどういっていいかわからないし
疲れてたからうざいといっただけで
本当にそんなこと思ってないと
泣き出したあーくんが。
もうあーくんにいわれたことに泣いてるのではなく
自分が
こういうふうに育てた
教室にも行けない親になってしまったことが悲しいだけだった
あーくんの楽しい卒業式を
お母さんの号泣で
また泣いたあーくんにも申し訳なくて。
もうお風呂入りなさい
このことは忘れなさい
せっかく楽しい卒業式だったんだからと
伝えてもその場からしばらく離れなかった
続く