セミナー【金融業界】 | 海外ポスドクの就職活動日記

海外ポスドクの就職活動日記

高学歴・高年齢・海外… 
2009年、
3Kのハンディと不況にアグレッシブにチャレンジする
海外PDの新卒(?)就活記録

理系ナビ主宰の「金融業界セミナー」と
Infinity Campusの「金融・戦略系コンサル志望者向け秋季セミナー」
に出てきました。

まず、金融業界セミナーの報告から。

今回は12の企業がブースを出していて、
30分1コマで6つの企業を選んで回る形式でした。
そして、最後は1時間のフリートークタイムです。

参加企業は、
外資系:
UBS、バークレイズキャピタル、クレディ・スイス、BNPパリバ、
GCAサヴィアン、アクサ生命、
国内系:
みずほ、住友信託銀行、大和証券SMBC、
三井住友アセットマネジメント、第一生命、日本興亜、

大手金融を一度に見れるなかなか貴重な機会だった。
ただ米系の投資銀行がこういうところには
なかなか現れないのが残念。強者め~


僕は、外資系金融を中心に回ったのだけど、
やっぱり企業ごとに雰囲気が違うのはよく分かった。
ただ、企業によっては人事の人しか来てなくて、
定型的な企業の説明に終始したところもあった。
9月下旬だとまだリクルート活動を本格化していないところもあるのだ。

社員さんと直接話して印象的だったことは
投資銀行の部門(投資銀行、債券、株式)についての話と、
みずほのクオンツの人の話だった。
やっぱり、
就職活動は人と会うためにある
のだと改めて思う。

企業の公式の説明では
ホームページでも見れるようなことしか話してくれないし、
いくつかの同種企業の話を聞けば業務の大枠も掴むことはできる。

だけど、その話の端々から窺える
企業の雰囲気やそこで働く人々の個性というのは
実際に行って見てみなくては感じることができない。


Infinityで話したBCGの人が言っていたのだが、
(前に会ったUBSの社員さんも近いことを話してたが)
「別に始めから業界とか動機とか決めていた訳じゃない。
だけど、ここの社員さんと面接で話しているうちに、
ここで働きたいと思ったから入ったんだ。
就活って自分探しだよ。」


僕は思わず聞き返してしまった
「でも、面接で志望動機とか聞かれなかったのですか?
どう答えたのか伺ってもよいでしょうか??」
「いや、聞かれなかったんだよ。
話しているとすごく楽しい面接でね、
トントンと行って、そのままサインだよ。」
「面接で会った人がね、
こいつには絶対勝てねぇ~と思って、
ここに行きたいと本当に思った」

羨ましいような話に聞こえる。他の学生も尋ねた。
「いくつか内定とかもらったと思うのですが…(略)」
「いや、二つだけだよ。
すぐ落ちたところもあるし、そういう所は合ってないんだ。
俺、他の所とか選考の途中で断っちゃったし。」

こういうことは自信があるからできるのだと思う。
それに、志望動機をあまり聞かない会社とか、
それも一つの会社の個性だけど、ちょっと珍しい部類だろう。

就活をしていると「直感で選んだ」という人が多いことに驚く。
各種就活情報には
自分の志望業種と動機をはっきりさせなさい
と書いてあることが多いように思う。
でも、就活を始めたばかりの不十分な情報で
自分の将来をを縛ってしまうなんて不自然だ。
その点で、彼らの言葉は本質をついている。
人には様々な特性があるし、可能性もある。
それを予め限定してしまうなんておかしなことなのだ。


だから、よほどの理由がない限り
「僕はこれしか考えていません」
なんて言ったら、嘘臭くなってしまうだろう。
しっかりと考えたことなら正直に話せばいいのではないだろうか。

それなら何で面接官は、入社後に聞き入れられるとも限らない、
仕事の動機や希望を聞こうとするのか?

僕は、
ひとつはプレゼン能力を見ているのだと思う。
面接官は問う、
自社の製品や商品をどんなふうに売り込んでくれるのだろう?
それは、
自分をどう売り込むことができるかということに共通する点がある。
長所も短所もある、それを誤魔化すのではなく、
相手に納得がいく形で表現できるか。

"Monkey business"(邦訳『ウォールストリート残酷物語』)
の言葉を借りるなら
"One bullshitter bullshitting another bullshitter"
ほら吹きがほら吹きにほらを吹いている、となる。
(それにしてもこの本slangのオンパレードです。
Bull + shitって凄い言葉だな。屁だの糞だの。
Slangの練習にいいかも。邦訳はどうしてるんだろ…。)

もちろん、
入社後に自主的にどんな働きをしそうかというのも、
その質問から見えるのだろうけど。

***
あと、クオンツの人と話せたのも嬉しかった。
クオンツの人とはまだ話したことがなかったから。

「今回の金融危機は大変だったからこう言うと怒られそうだけど、
僕にとってはすごく充実した仕事ができたんだ。
これまでの仕事はこのためにあったっていうくらいに
密度の濃い数カ月で、
サブプライムのリスクを調べるために世界中を奔走したんだ。」

大変な仕事なのだなというのもわかるけど、
その人の情熱のようなものも伝わってきた。

「最初の一、二年は
自分の仕事が何の役に立つのかと思ったりして分からないけど、
仕事がどうつながりを持っているのか
どうバリューとなるか、時間がかかるけど考えるんだ。


「入社して数回目のプロジェクトで、物凄く厳しい顧客がいたんだ。
こんなにお客が厳しいのかと知ったよ。
でもその経験からプロ意識を学んだんだ。
それを教えてくれた師匠だと思ってる。」

「クオンツってね、ブラックショールズ方程式みたいに
教科書にあることをやってたらいい時代は15年前には終わってる。
大切なのはどれだけ人の気持ちを理解できるかということ。

モデルは数値じゃなくて、経営の感覚で作るんだ。
そして、クオンツの仕事はね会社じゃなくて人にくるんだ。」

あたりまえかもしれないけど、
どんな仕事の人も企業はお客さんを相手にする以上
必要なものを汲み取れる力、人としての力が大切なのだと
みんな異口同音に話してくれる。

実は、僕の研究分野のOBがこのクオンツの方のところにいるので
尋ねてみたのだけど、
その先輩は大切なものを読み取る力がとても優れている
と褒めていた。
僕と同じ分野で
さらに同じようにポスドクで就職していった先輩が
そうやって社会で活躍しているというのを聞くと
励みになるし嬉しい。


***
最後に、
Infinity Campusのセミナーの簡単な報告です。
CDIとGCAサヴィアンのセミナーがありました。
そのほか、内定者の人からのアドバイスとかもあった。

その後、
グループディスカッションを二回やって
内定者の人からのアドバイスがあった。
と書くと聞こえはいいのだけど、
内定者って言っても4年生かM2で社会人ではないですから。
まあ、GDの練習がつめたのはよかった。

最後は懇親会だけど、
やっぱり学生に混ざるのっていつも微妙な気分…
内定者よりは社会人に話を聞くほうがずっと深みがあります。
だって内定者って採用試験とかのことは詳しくても、
会社の内情を知っているわけじゃないので。
まあ、どんな人が内定してるのかとか見れるし、
学生にとっては同じ立場でアドバイスが聞けていいでしょうね。

上に書いたけど、僕はやっぱり社員さんと
直接話せたのがよい経験となりました。

札束がジェット機に乗って消えていく日々ですが、
こういうことはお金に代えられないって思うから~~

***
文章が長くなったのでショック!、今回はこんなもんで。
今日帰国したばかりなのに頑張ってしまった。。
飛行機で書いたりしてたんだけどね。

投資銀行の部門についても聞いてきたけど、
これについてはきちんと考えて調べなおしてまとめたいので
後日また記事を書きます。