今宵の月のように | 現実世界から理想世界へ

現実世界から理想世界へ

24年間調子こいて生きてきました。
24年目でやっと気づきました。

そこに確かに存在する現実から、少しでも多くの人生の栄養素を吸収し、
自分なりの理想世界=いい人生にしたいと思います。

こんな月の夜は歩いてタバコを買いに行こう。


最寄のコンビニまで徒歩15分かかるのでいつもはクルマですませてしまうところだが、


玄関を開けた瞬間の予想を上回る冷気といつもより大きな気がする鈴虫の歌声に誘われ踏み出した足は駐車場とは反対に向いていた。


なんとも表現しがたい、秋の夜の匂いとしかいえない空気だ。


もうずいぶん長い間お世話になっているSeven Starsの箱を取り出し、残り一本となった心の支えに灯りをともそうとジッポライターをとりだす。


立ち並ぶマンションにカチャッと響かせたら一瞬でオイルの香りが脳を突き抜けた。



脳を突き抜けた。。。なぜ僕がこのような表現をしたのか。。。


秋の夜の匂いと、ジッポのオイルの香りが‘アノ時’の記憶を瞬時に、鮮明に甦らせたからだ。


恥ずかしながら僕は16でタバコをおぼえ、17に初めてジッポというものを手に入れた。


オトコノコなら誰もが一度通るであろう、「姿、形」にこだわるアノ感情からだ。


当然、昔から変わった人扱いされていた僕はそれが人一倍強く、煩わしいオイルの充填や火付け石の交換、芯の調整までもなんとも苦にならず、むしろ‘手入れしている感’にさらなる愛情を感じていたくらいだ。


そんなオレのマストアイテム、「ジッポ」と「タバコ」と「M-65ジャケット」を装備して毎晩近所の公園で親友

2人と語り明かした。


17のガキが、宇宙の不思議、死後の世界、旬の音楽、乗りたいクルマ、オンナノコの不思議。いろいろ話した。


自分たちの正体不明感、PUNK ROCKの影響、反社会、アンチ両親。思春期の風の中で吹き荒れてたころ、


この風に負けずに火が消えにくいジッポライターは僕の相棒。それ以外のなにものでもないだろう。。。




そんな苦笑いしてしまうような頃が一瞬で甦ったのである。


なるほど。匂いは記憶に深くつながるとゆうのはこうゆうことか。


思えばコーヒーから逃げられなくなったのも、母からいつもする、洗濯物の匂いと、コーヒーの匂いを幼少から感じていたら当然なのかもしれない。


学校のグランドの匂い、夏の夕方の匂い、夜の潮風、森林の癒される匂い、皮のブーツの匂い、ライブハウスのタバコと電子機器の独特な匂い、アノ車の芳香剤、アノブランドの香水、、、


きっとみなさんも、歩んできた人生のカケラ達に匂いがあるだろう。


どこかでふとカケラ達の匂いに再開したのなら、クルマなんかからさっさと降りて、アノ頃と同じように歩いてみることをおススメする。


苦くても、しょっぱくても、あまくても、辛くても、大切なアノ頃にまた出会えるかもしれないのだから。。。









さて、見事に買い忘れた食パンでも買いにコンビニへいこうかな。

え?もちろんクルマだよ!だって、寒いんだもん。

あー、さっむー。


時間の経過には勝てない人類の一人でした。