2019年ヒット商品番付、タピオカはいいけどムーミンパークは「?」 選定のセンスが残念 | かなこの「恋はときどき」

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 今年も残すところあとひと月足らず。年末恒例のさまざまなイベントが行われているが、11月末には2019年の「ヒット商品番付」が発表された。番付には、まさに今年のヒット商品の筆頭というべき「タピオカ」が当然のように入った一方で、埼玉県飯能市の「ムーミンバレーパーク」のように、そんなに大ヒットしたの?と疑問に思うようなランクインも。

 

 大相撲の番付を模して、今年、世間をにぎわせた出来事や商品などを東西に分けてランキングにしたもの。SMBCコンサルティングがまとめた。

 

それによると、東の横綱(1位)は「平成から令和へ」、新しく始まった令和だけでなく、終わった平成関連の商品やイベントも多かった。また、西の横綱は「ラグビーワールドカップ2019日本代表」。ラグビーワールドカップの大会そのものも盛り上がったが、中でも予想以上の大活躍でベスト8に食い込んだ「日本代表」を顕彰した。

 

大関(2位)以下のランキングは次の通り。

 

大関(2位) 東「ノーベル化学賞の吉野彰氏」、西「渋野日向子選手、八村塁選手

関脇(3位) 東「サブスクリプションサービス」、西「消費税ポイント還元

小結(4位) 東「TOKYO2020(東京五輪・パラリンピック)へのカウントダウン」、西「タピオカドリンク

前頭一枚目(5位) 東「SDGs」、西「ドレスコードフリー

同二枚目(6位) 東「こども六法」、西「プログラミング教育

同三枚目(7位) 東「渋谷再開発」、西「和製ウイスキー

同四枚目(8位) 東「映画『天気の子』」、西「映画『ボヘミアン・ラプソディ』」

同五枚目(9位) 東「リングフィットアドベンチャー」、西「ハンディ―扇風機

同六枚目(10位) 東「瀬戸内国際芸術祭2019」、西「ムーミンバレーパーク

 

消費税ポイント還元」「天気の子」のように、今年ならでは、まさに今年のヒット、という現象も入っているものの、ざっと見て、「そんなにヒットした?」と思うものもある。そう思うのは筆者だけだろうか。

 

例えば、「こども六法」や「プログラミング教育」は今年に始まったことではないだろうし、「和製ウイスキー」が海外でも評価が高まり、品切れになって話題になっているのは数年前からの傾向だ(SMBCのhpによると、8月に香港のオークションで、秩父の醸造所「ベンチャーウイスキー」のウイスキーが約1億円で落札された一件を顕彰の理由にしている)。任天堂の「リングフィットアドベンチャー」も、最近発売された商品で印象が強く、また新垣結衣を起用したCMが、ガッキー人気と投下量の多さで目立ったものの、ゲーム業界のヒット作品としては他にもあったのではないだろうか。

 

世相という意味でなら、その分野では他の出来事の方がランクインにふさわしいのでは?と思うものも。例えば、「瀬戸芸」こと「瀬戸内国際芸術祭」の成功をランクインさせているが、それよりも、「表現の不自由展」を巡ってごたごたが繰り返された「愛トリ(愛知トリエンナーレ)」のほうが、よほど後々に振り替える時に「今年を代表する」メルクマールとなった出来事だと思う。

 

さらに、そのタイトルでいいのか?と思うのが、「ドレスコードフリー」だ。一体何のこと?と思ったのは筆者だけだろうか。SMBCのhpによると、企業などが制服着用をやめたり、出勤時の服務規定を自由化したりといった動きについてのことらしい。背景には、女性にヒール着用を義務付けることに異議を唱える「#Kutuu」運動があるようだ。どうせなら「カジュアル出勤OK」「職場の服装自由化」などと表現してくれれば、すぐにわかったのになあ。選定の仕方とタイトルが残念だなあ、と思うのである。まあ、広告代理店のようなセンスをコンサルタント会社に求めてはいけない、のかもしれないけれど、苦笑。

(2019・12・2、元沢賀南子執筆)