7月期地上波ドラマ、原作あり6割、謎解き4割強 注目は「セミオトコ」「凪のお暇」   | かなこの「恋はときどき」

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 7月始まりの地上波民放ドラマのラインアップが出そろった。今期も相変わらず多いのは原作があるドラマで、全体の6割を占める。さらに、相変わらず、刑事・警察ものだけでなく謎解きやミステリーものが強く、4割強に及ぶ。ただし今回は続編やシリーズものが3本だけと珍しく少ない。

 

 ラインアップの詳細は以下のをご参照いただきたい(筆者調べ)。原作の多くは漫画で、5本を数える。刑事警察など謎解きものは10本あり、相変わらず、連ドラでは謎解きものが席巻している。また、午後11時以降に放送する深夜枠のドラマも23本中10本に及び、相変わらず4割超えの状況が続いている。

 

シリーズものは、4月期から続く「科捜研の女」のほかは、「刑事7人」、「警視庁ゼロ係」の3本だ。いずれも刑事ものなのは、1話完結の特性で、時々主要メンバーを交代させれば、視聴者を飽きさせずに長寿化しやすいからだろうか。そのうえ、シリーズものは前作のファンを引っ張りやすいので視聴率も見込みやすい。俳優にとっては、その作品の色があまりに濃くなってしまって、他の役を演じにくくなる(オファーが来にくくなる)というデメリットはあるだろうが。

 

 ちなみに今クールでの主役の男女比は、圧倒的に男性が多く、3分の2を占める。女性が主演するのは、月9の上野樹里「監察医 朝顔」、火10の石原さとみ「HEAVEN」、水9の杏「偽装不倫」、木8の沢口靖子「科捜研の女」、木10の深田恭子「ルパンの娘」、木曜深夜の小池栄子「わたし旦那をシェアしてた」、金10の黒木華「凪のお暇」、金曜深夜の馬場ふみか「百合だのかんだの」の8本だけだ。

 

 ちなみに、脚本と主演、前宣伝の文句だけで、筆者が勝手に期待しているのは、例えば以下。岡田惠和脚本・山田涼介主演で、切ない大人の恋のおとぎ話が描かれそうな「セミオトコ」(テレ朝系)。生きづらい世の中を等身大に描いた原作漫画が人気のうえ、主人公の黒木華を巡る三角関係の男性2人が中村倫也と高橋一生という豪華キャストの「凪のお暇」(TBS系)。

 

逆に、これは悪い意味で「やっちまった」んじゃないかと心配しているのは以下。事実婚についてあまりにも見当違いな偏見に基づいた設定になっていそうな「わたし旦那をシェアしてた」(日テレ系)、レズビアンについての間違った認識が駄々洩れになっていそうで見るのも恐ろしい「百合だのかんだの」(フジ系)。

 

実際にはドラマを見てみないと何とも言えないとは思うけれど、番宣のhpを見ているだけで、期待が高まったり、不安になったりしてくるもの。まあでも、怖いもの見たさも含めて、まずは見てみるとしよう。

(2019・7・3、元沢賀南子執筆)