大切な人が死ぬということ
私が尊敬し、私を信頼してくれていた人が亡くなった。
職業柄、人の死に直面せざるを得ないことは認める。
そもそも、いつか終焉を迎えるのが人生ならば、
そして加齢と共にその時が近づく確率が高まるならば、
その人たちがよりよい最期を迎えられるような手伝いをしたい
そう思って仕事をしていた。
どこかで高齢者は相対的に死に対する心の準備ができていると思っていた。
よりよい最期ってなんなんだろう。
苦しまずに、この世に未練を残さずにいくこと?
そんなことってあるんだろうか。
「苦しんでいたからやっとラクになれた」
「もういつ死んでもいいと言ってたから」
ちがかった。
彼は、死に直面するにあたっても、明日につながる、来週にもつながる、
いつかにつながる生きる望みを持ち、
死ぬ準備ではなく、生きる準備をしていた。
よりよい最期に導く手助けなど、できなかったんだ。
悔しいです。