第6話『克幸 ―ねぇ、教えて・・―』 | 吾輩はヒルシュ類縁で短腸のアラサーである。

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腸管神経細胞僅少症(ヒルシュスプルング病類縁疾患)により短腸症候群になりました。SLE、肝硬変に振り回されつつ、七転八起しながら生きているアラサーです。
日常のことや病気のことを書いていきます。
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大介が死んだ。未香を含むクラスメート達は驚いていたが、事情を知る忍成、氷(クリス)、克幸はそれ以上に哀しみが深く、そして不安が募った。大介の死は学校に忍び込んだ通り魔の犯行という事になった。

「・・ねぇ、どうして・・っ!?」

氷は悲痛な声をもらした。

「・・ひどい・・・・大介は殺されたのよ!!輪(ロンド)に・・っ。みんなに教えれば良い・・!!」

そんな氷に忍成は少しキツく言い放った。

「アホ・・辛いのはよぉわかる。せやけどな、他の奴らに言うてみぃ・・輪は抵抗を示す輩を次々殺していくで?・・そないな事になったらお前は大介の気持ちを踏みにじる事になるんやで・・」

大粒の涙をこぼす氷の頭を忍成の手がそっと撫でた・・・

「・・・っく・・だ・・いすけの・・バカぁ・・っ・・ふぇ~ん・・」
「ホンマやな・・・最後に気の利いた事も言わずに逝くなんて・・氷が可哀相やろ・・」



何日か経ち・・・克幸と陽那は理科室にいた・・・。いつもは鬱陶しいくらい絡んでくる克幸がとても静かなために余計、落ち込んでしまう。

「ね、ねぇ・・かっつん、教えてほしい事があるの・・」

克幸の反応を確かめるかの様に陽那がゆっくり口を開いた。

『・・・・なんだ?』

陽那が尋ねると克幸は笑顔をつくり、陽那の方を向いた。

「・・・大介は・・何で死んだの・・?・・・・・あと・・かっつんは・・どうして・・この学校に残ったの・・?」

陽那が突然、核心を突いた質問をしてきたので一瞬ビックリした顔をしたが、すぐに真面目な表情に戻った。

『・・・気づいてたのか、大介の事・・』
「うん・・なんとなく・・・」
『・・・本当はもう少しお前に秘密を明かすのは待とうと思ってたんだけどな・・・良いぜ、教えてやるよ・・

 俺と大介、氷は「日本刀同盟」っていう群の10代にしてトップクラスの兵だった・・。他国の救助などが主な活動なんだけどな・・。そんな俺達がココに来たのは1年前に起きた事がきっかけだった・・・。ついてこれてるか?』

「う、うん・・なんとか・・」

「続けるぜ・・。1年前に救助のためにシアトルへ飛んだ事があってな。何があったかは知らねぇんだけど・・大介は精神的なショックを受けたらしくて。氷は・・腕をやられたらしくてな・・。まぁ、俺は今までの無理のせいで内臓やられてよ・・。そんで戦うのは休む、って事になって」

「それで?」

『俺はこっちに来てから大切な人ができた。何よりも大切で・・・。けどな、俺とそいつは殺された・・・輪という男にな・・』

「ろ、輪?」

『あぁ・・彼女は・・俺より先に昇天したよ・・でも俺はな成仏できなかった・・・俺の大切な人を・・・殺めたんだぜ・・輪を殺すまで・・現世にとどまると決めた・・』

「ま、まさか・・大介も・・その輪って人が・・・?」

『もっと俺が早く戦ってりゃ良かった・・。このままじゃどんどん被害者が出るぜ・・。そのためには・・・陽那、お前の力が必要だ』

「えぇっ!!?」

突然の事に何が何だかわからない陽那。

『お前には闇を打ち破る“光”のパワーがある』
「そ、そうなんだ・・」
『これから・・何があるかわかんねぇ・・これから鍛えてやるぜ』
「えぇ~~っ!?」
(一気にいろいろ知りすぎてワケわかんないよ~!!!)






「・・・っく・・先生~・・っだいすけがぁ・・っ」
「よしよし・・・未香は泣き虫やな・・。我慢してたんか?俺ン所来るまで・・」
「ん・・・だって・・先生以外の・・人には・・泣くの見せたくない・・っもん・・」
「・・・なぁ・・未香・・・。俺の傍にずっといてや・・・お前がおらんと俺・・・今どうにかなってまうわ・・」
「先生・・ずっとずっと一緒だよ・・?」
「何があっても・・・一緒や・・」













To be continued…



Written by蒼ノ介









凄く会話の多い6話(笑)急展開です。