ばかだな、ばかだな。
ただ、素直に甘えたい気持ちで行ったのに。
疲れていたから、どんな甘いお菓子よりもあの人から糖分を摂取したかったのに。

一度も振り向かないで帰って来ちゃった。
もっと話したかったな。
仕事じゃなかったら、抱き着きたかったな。


相変わらずあの人はダサくて、鈍臭い感じで。後ろ姿を見ててちょっと恥ずかしかったけど。
でもそれがとてもかわいいよ。
何をしたいかと言われたら。

すきな人に思い切り甘えたい!
取り敢えず胸元に頭擦り寄せて安心したい。
昔の恋人が、背後へと流れて行くのがわかる。

なんだかんだ、ずっと心の中でせめぎ合っていた事実を、もう無抵抗でありのままに受け入れたら。寧ろ、何かを一つ越えられた。
きっと、こうなるまでには時間も必要だったんだろう。

今の恋人と、少し距離を置いたのも一因かも知れない。
『恋愛』という行為自体から、少し身を引いておく時期なのかも知れないな。


私は、貴女と友達になりたかった。
貴女以上に、分かり合えた他人なんて他に居なかった。
貴女は、確かに私を救ってくれた。

私達は、長くは続かない付き合いだったのかも知れない。
『必要』なお付き合いだったから。
恋愛で『必要』から始まる付き合いって、ちゃんと終わりも用意されているんだって思うの。

本当に、本当に、必要だったよ。
貴女が居なかったら、いまの私は居なかったよ。
どうやって恋愛をしたらいいのか、お互い探りながら一年間を過ごしていた。

別れても、友達になれたら良かったね。
本当に、さようなら。
貴女と求め合えてよかった。