◎「だいなし」

「ダイなし(代無し)」。お代(ダイ)・料金・値段、が無い状態であること。「だいなしにする(代無しにする)」は代として現れる価値を無いものにすること。

「『とんだものが舞(まひ)こんだので自己(をいら)の思ひ付を題無(だいなし)にした』」(「滑稽本」『七偏人』)。

「茶がだいなし水になる」(無価値な水になる)といった表現もある。

 

◎「たいまつり」(動詞)

「タイまつり(台祀り)」。「まつり」は「たてまつる(奉る)」のそれであり、「タイまつり(台祀り)」は(幣などを)台(タイ・ダイ)に乗せてまつること。台に乗せることで尊重感が表現される。「たてまつる」、すなわち、立ててまつることも台に乗せてまつることも(台に乗せて立てる・発生感を生じさせる、わけであるから)ほとんど意味は変わらない。

「……手向(たむけ)する所あり。梶取(かぢとり)して幣(ぬさ)たいまつらするに…」(『土佐日記』)。