「ソクコン(即魂)」。そのまま魂、魂のまま、魂にあてはまり、魂に即(ソク)して、というような意味。古くは「そっこん」と清音。「ぞっこん心には服せざる」(『荘子抄』)は、それがそのまま魂と言いうるような状態では、心には服していない。そのことが魂にはなっていない。

「即今(そつこん)より きりしと に合體し奉らんまでは 寛(くつろ)ぎといふ事あるべからず」(『こんてむつすむん地』:タイトル「こんてむつすむんぢ」はラテン語「contemptus mundi(世を厭(いと)う)」の音(オン)をそのまま写したもの。これはキリシタン書)。

「むかしからぞつこんしつて(知って)いるの」(『売花新駅』「洒落本」)。

「滝川に属懇(ゾクコン・ゾッコン)惚れた角左衛門が」(「歌舞伎」『侠客五雁金』)。