「から」の項参照(6月27日・昨日)。
「はは(母)」を同じくする関係、すなわち「はら(腹)」を同じくする関係、は「はらから(同胞)」。「を(緒)」を同じくする関係は「をゐから(緒居から)→うがら(親族)」。それらを基に「や(屋)」を同じくする関係は「やから(屋族)」。
「…問(と)ひ放(さ)くる 親族(うから)兄弟(はらから)なき国に…」(万460:「問(と)ひ放(さ)くる」は、訪れて心が晴れる、のような意)。
この、種類性・属性を同じくすることの表現は「その属性」すなわち、それとしての特性、も表現する。「山からし貴くあらし、川からし清(さや)けくあらし」(万315:原意的に言えば「山から」は、山がなければ生きることがない、活性化することがない、特性。「から」に続く「し」は必然性・当然性を表現することによる強調(何かを指し示すことによる、指示による、強調ではない)→「し(助)」の項)。「人から」(人としての特性・状態)。「時(とき)から」(時としての特性・状態)。これは所属の「が」が入り「がから→がら」にもなる。「ひとがら(人柄)」、「あひだがら(間柄)」、「ヱがら(絵柄)」。これは独立し一般的に「がら(柄)」とも言われる。「がらがわるい(柄が悪い)」。着物の「がら(柄)」はその視覚特性。
この語の語源に関しては、ツングース語族がどうの満州語がどうのといった説もありますが、関係ありません。