◎「かめ(亀)」

「きあめ(着余め)」。「あし(余し)」(→「余(あ)さず食(を)せ」)「あせ(褪せ)」の「あ」のような、虚無的「あ」による「あみ(余み)」という動詞があったものと思われる(→「あまし(余し)」の項参照・「がまし」(6月10日)に再記)。「あめ(余め)」はその他動表現。「きあめ(着余め)」は、着余(きあま)している、という表現であり、着余(きあま)しているもの、の意。着膨れしていること、着膨れしているもの、の意。そうした外観印象の動物だということです。爬虫類の一種の名。

「龜 …和名加米」(『和名類聚鈔』)。

 

◎「がむしゃら」

「ガウマムシャアラ(降魔武者荒)」。「ガウマ(降魔)」は仏教用語で悪魔を降伏(ガウブク)させること。「がま」とも言う。不動明王が、悪魔を降伏させるという「降魔の相」という忿怒の形相を見せる。そんな相になった武者の荒々しさが「ガウマムシャアラ(降魔武者荒)」。単に「がむしゃ」や、「がむしゃもの」とも言う。

「中にも剛韃(ガウタツ)というがむしゃ者。いで栴檀女(センダンニョ)を召取一人(イチニン)の手柄にせんと、よろひの上にみの打かけ…」(『国姓爺合戦』)。