「うらねいはひ(裏音祝ひ)」。「うら(裏)」(7月19日:「うふら(う経ら)」)・「いはひ(祝ひ)」(2月22日:「ゆいはひ(斎い這ひ)」)はその項参照。「うらねいはひ(裏音祝ひ)→うらにひ」は、(世の)「うら(裏・内奥・経過の発生源情況)」から聞こえてきた(感じられた)音(ね)を聞き(あるいは、それが感応し、あるいは、それを判(よ)み)、それが人智を超えたものとして人に情況化すること。それにより、世(よ)という経過の真相を知ろうとする。名詞は単に「うら(占)」とも言う。
歴史的に、全世界で、その「うらね(裏音)」を聞く方法は多種多様です。亀の甲羅を焼いたり、それを刺したりしそこに現れる複雑な罅(ひび)の形象を見たり、道端に立って偶然聞こえる人の声を聞いたり、ある種の虫の動きに一定の意味を添えたり(たとえば、蜘蛛がこういう巣を張ればあの人がやってくる、とか)、ある種の棒や札に意味を添えそれを並べ意味を見たり、手のひらの皺(しわ)に意味を見たり、生年月日に意味を見たり、無数の星の運行に様々な意味を添えたり等々、さまざまです。
「ゆふけ(夕占)にもうら(占)にも告(の)れる今夜(こよひ)だに来(き)まさぬ君を何時(いつ)とか待たむ」(万2613:「ゆふけ(夕占))」は、ゆふうけ夕受け、でしょう)。
「門(かど)に立ちゆふけ問ひつつ吾を待つと…」(万3978)。