◎「うちは(団扇)」
「うちハン(打ち飯)」。「ン」の脱落。飯(めし)が現れるもの。飯を炊くもの、の意。飯を炊く際の火を扇(あふ)ぎ火力を調節するもの。
◎「うぢはやし」(形容詞ク活用)
「うづゐはやし(渦居早し)」。渦の中に居るように自然的社会的環境に翻弄され身が危険になるような状態であることを表現します。これは漢文訓読系の表現です。「かくうぢはやき時に身命(いのち)を惜しまずして…」(『続日本紀』宣命)。「径途(みち)難阻(うぢはやく)寒風(かぜはやく)して…」(『大唐西域記』)。
◎「うちひさす(枕詞)」
「うちひさす(打ち日射す)」(「うち(打ち)」は「現実化する」の意・その項参照:「うちひさす(打ち日射す)」は、ありありと日が射す、の意)。これが、→「み(見)」にかかり、日が射すまぶしい見(み)、ということであり、同音「み」の「みや(宮)」や「みやこ(都)」に掛かります。
「うちひさつ」という表現もあります。これは「うちひさしつ(打ち日射しつ)」(「し」の脱落)。意味は同じようなものです。
◎「うちよする(枕詞)」
地名「するが(駿河)」に掛かる枕詞です。打ち寄する→「なみ(波)」、「するが(駿河:為るが)」→「なみ(な見:見ないで)」、ということでしょう。駿河(後の静岡県あたり)は海に面しています。