「うけいひす(受け言ひ鳥)」。「けい」が「く」の音(オン)になり連濁しています。語尾の「す」は、「からす(烏)」「もず(百舌)」「かけす(懸巣)」その他のように、鳥を意味します(「す(鳥)」の項)。「うけ(受け)」は応答を意味します。「うけいひす(受け言ひ鳥)」は、受け(応答)を言う鳥、の意。これは小鳥の一種の名ですが、この鳥の、自分で呼びかけそれに自分で応答するような鳴き方が印象的だったことによる名。例の「ホー、ホケキョ」が『(遠慮がちに)あのー』『え?なんですか?』のような印象だということです。鶯餅(うぐひすもち)や鶯豆(うぐひすまめ)のように、この鳥は相当に鮮やかな緑色の印象が強いですが、それは同じ時期に梅などで目立つ小鳥のメジロと勘違いしていると言われています(この鳥は相当に鮮やかな緑ですが、ウグヒスの見た目は地味です)。東京の方以外は御存じないかもしれませんが、東京の山手線に「鶯谷(うぐひすだに)」という駅があり、これは、元禄時代、あるお公家さんが、江戸の鶯は鳴き声がよくない、と、京都から持ってきた3500羽の鶯をそのあたりに放したことに由来するそうです。ちなみに、現在「鶯谷(うぐひすだに)」という町名はありません。そのあたりが漠然と「うぐいすだに」と呼ばれてはいますが、行政的には駅の東側は「ねぎし(根岸)」です。西側は上野公園。