「うがらあひ(『う』『がら』合ひ)」。「う」と「がら」はどちらも擬音。「うがらあひ(『う』『がら』合ひ)→うがひ」は、口から発する「う」の音と、口に含まれた液体(主に水)に、「う」と言うことにより、そう言って呼気を通すことにより、発せられる「がらがら」という音が合うこと(そのどちらもが聞こえること)。水や水薬などを口に含み、やや上を向き、声帯で音声を発し続け喉内部を洗浄すること。「口に水をうかふ」(『名語記』)という動詞表現もあります。この「うがひ」は平安時代にはたしかに行われていました。平安末期の辞書に「嗽」の意味説明に「クチススグ ウガヒス」があります。漢字表記では、歴史的に、「鵜飼」とも書かれますがその動態印象が似ていることによる当て字。ただし、この語の語源を「鵜飼(うかひ)」とすることは相当に一般的です(一般的というよりも、それが定説)。呑んだ魚を吐く(吐かせる)状態が似ているといいます。しかし、「うがひ」という語音から「うかひ」を連想することは普通にありそうですが、自分が嗽(うがひ)をし、あるいはほかの人が嗽(うがひ)をしているところを見て、あの人は鵜飼(うかひ)をしている、あるいは、自分は鵜飼をしている、と思う人がどれほどいるか、疑問です。